松本慎吾(一宮運輸)が優勝、笹本睦(綜合警備)は3位…ポーランド・オープン第1日【2006年3月12日】





 欧州遠征中の男子グレコローマンの全日本チームは3月11日、中央ヨーロッパの歴史深い商人の町、ポーランドのヘルムで行われた「ポーランド・オープン」に出場。初日は4階級が行われ、84kg級の松本慎吾(一宮運輸)が5試合を勝ち抜いて優勝、60kg級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)が3位に入賞した。

 松本の国際大会優勝は、2003年2月のデーブ・シュルツ国際大会(米国)以来3年1か月ぶり。「最近、2位、3位が多かった。去年のこの大会は3位だった」と話し、久しぶりの優勝に笑顔が耐えなかった。

 笹本は1回戦(2試合目)でトルコ選手に敗れたものの、敗者復活戦では一方的に勝ち進んで銅メダルを取った。

 66kg級の飯室雅規(自衛隊)は7位、74kg級の鶴巻宰(国士大)は15位。各選手の試合結果は下記の通り。(レポート=ウィリアム・メイ)


 【60kg級】笹本睦(ALSOK綜合警備保障)    3位=21選手出場

予備戦 ○[2−0(TF8-0=1:15、TF8-0=1:11)] Willie Madison(米国)

 《1P》一本背負い投げの形から相手を落として3−0。パーテールポジションで5点の俵返しを決め、ピリオド終了。

 《2P》笹本が再び巻きの一本背負いで3−0。それから俵返しをきめてテクニカルフォール勝ち。

1回戦 ●[0−2(1-@Last,0-5=1:10] Ugur Tufenk(トルコ)

 《1P》スタンドは0−0。パーテールポジションで笹本は俵返しを仕掛けたものの、相手がうまく守って場外に倒れて1点。笹本は防御リフトされて1−1となり、ラスト・ポイントでこのピリオドを落とした。

 《2P》スタンドは0−0。グラウンドの攻撃権を取ったトルコ選手は、フライング気味にリフト。やり直すことなく、不本意なテクニカルフォール。

敗者復活1回戦 ○[2−0(TF6-0,5-0=1:13] Haki Ville(フィンランド)


敗者復活2回戦 ○[2−0(TF7-0,5-0)] Ede Komaroni(ハンガリー)



3位決定戦 ○[2−0(TF7-0=1:50,4-0)] Tomasz Swierk(ポーランド)

 《1P》笹本がガッツ・レンチを計3度決めて決めてテクニカルフォール。

 《2P》スタンドで0−0のあと、PT入って、リフト、ローリングで銅メダルを獲得した。

3位決定戦 Stig Berge(ノルウェー)○[2−0(2-0,TF10-0=1:07)]● Andrei Ulip(チェコ)

決    勝 Ugur Tufenk(トルコ)○[2−0(4-0,5-1)]● Eduard Bersghiam(ポーランド)

 【66kg級】飯室雅規(自衛隊)   7位=23選手出場

予備戦 ○[2−0(3-1,@Last-1)] Atila Drescler(ハンガリー)

 《1P》パーテールポジションのクリンチは両者ともフライングのペナルティをおかし、1−1。このままならハンガリーのラスト・ポイント勝ちになったが、飯室が必死に攻めてラスト1秒に場外へ押し倒して先制。

 《2P》スタンドは0−0。グラウンドは飯室がポイントを取れなくて0−1となったが、防御に回ってしっかり守り、1−1のラスト・ポイントで勝利。

1回戦 ○[警告2P1:20(TF7-0,1-0)] Aleksej Djakonow(リトアニア)

 《1P》スタンドは0−0。グラウンドの防御となった飯室は、うまく守って1−0。攻撃にまわると、リフト技を決め、相手のペナルティもあって7−0。

 《2P》飯室のリフトに対して、相手は脚を使って防御するなどのペナルティがある、3コションで失格。

2回戦 ●[0−2(1-@Last,0-4)] Ulwan Erkan(トルコ)

 《1P》0−0のあと、飯室はパーテールポジションの防御を守り切ったが、攻撃でもポイントを取れず、1−1のラスト・ポイントでこのピリオド取られた。

 《2P》スタンドは0−0。パーテールポジションの攻撃で俵返しのミスをしてしまい、相手が上になって0−1。ペナルティがあって0−2。ローリングされて0−4とされた。

敗者復活戦 ●[警告2P1:30] Sylwester Charzewski(ポーランド)

 《1P》0−0のあと、飯室がグラウンドの防御で脚を使うペナルティを受けてしまい0−2。攻撃ではポイントを取れず、2度目のコーションを受けて0−3。

 《2P》0−0のあと、グラウンドの攻防は、防御にまわった地元ヘルム出身のシャルシェフスキ選手がフライング気味のエスケープ。このため飯室はポイントを取れず、3度目のコーションで失格。

3位決定戦 Harry Lester(米国)○[フォール2P1:18(1-2,F5-3)]● Sindikov(ロシア)
3位決定戦 Sylwester Charzewski(ポーランド)○[2−1(4-0,0-1,@Last-1)]● Julian Kwit(ポーランド)

決    勝 Oleksandr Khvoshch(ウクライナ)○[警告3P1:30]● Ulwan Erkan(トルコ)

 【74kg級】鶴巻宰(国士大)    15位=31選手出場

予備戦 ○[2−1(TF6-0=1:06,0-4,TF6-0=1:39] Vasyl Rachyba(ウクライナ)

 《1P》鶴巻が相手の投げのミスでバック回って先制。グラウンドの攻撃では、タイミングよくリフトを決め、5ポイントの俵返しで先取。

 《2P》スタンドは0−0。ラチバはグラウンドの防御を守って1ポイント。そのあと、低い俵返し4−0としてピリオドスコア1−1とした。

 《3P》0−0のあと、鶴巻はグラウンドの防御で下からリバース。さらに3点の俵返しを決め、2004年欧州2位の選手を破った。

1回戦 ●[0−2(1-@Last,1-3)] Evgeny Popov(ロシア)

 《1P》スタンドは0−0。グラウンドの防御となった鶴巻は、俵返し切って守り切ったものの、攻撃でもポイントを取れず、1−1のラスト・ポイントでこのピリオドを落とした。

 《2P》スタンドは0−0。鶴巻はグラウンドの防御で返され0−3。攻撃で1ポイントを取ったものの、追いつかなかった。

※Popovが準々決勝でウクライナ選手に敗れ、鶴巻は敗者復活戦に回れず。

3位決定戦 Vlodymir Shtskykh(ウクライナ)○[フォール1P ? ]● Joachim Aarfalen(ノルウェー)
3位決定戦 Andrej Baranowski(ベラルーシ)○[2−0(3-0,2-0)]● Valdemaras Venckawicz(リトアニア)

決    勝 Anatoli Polkin(ロシア)○[2−1(3-0,1-5,3-0)]● Seref Tufenk(トルコ)

 【84kg級】松本慎吾(一宮運輸)    優勝=25選手出場

予備戦 ○[2−1(3-3Last,2-1,3-0)] Zoltan Todor(ハンガリー)

 《1P》0−0のあと、グラウンドの攻防はともに低い俵返しを決めて3−3。ラスト・ポイントで元ハンガリー・ジュニア代表が先制。

 《2P》松本は首投げの体勢からバックを奪って1−0。グラウンドの攻防はともに技がかからず、1点ずつ入って松本が2−1で勝利。

 《3P》0−0のあと、グラウンドの攻防へ。松本が最初に守って1−0。攻撃では俵返しの体勢からがぶり返しに移行して2点を取り、試合を決めた。

1回戦 ○[2−0(@Last-1,4-2)] Cenk Iiden(トルコ)

 《1P》スタンド、グラウンドとも両者に技が決まらず、1−1のラスト・ポイントで松本が先取。

 《2P》0−0のあと、グラウンドの攻撃で松本が低い俵返しを決めて3−0。防御ではスタートが合わず、フライングを取られて3−2と追い上げられた。しかし体を入れ替えて1点を加え、4−2として勝った。

2回戦 ○[2−0(4-0,3-0)] Dmytro Geppa(ウクライナ)

 《1P・2P》強い守りと俵返しで一方的な勝利を挙げた。

準決勝 ○[2−1(0-3,3-0,@Last-1)] Brad Vering(米国)

 《1P》0−0のあと、グラウンドで攻撃権を得た松本松本だったが、ローリングを返され、0−3でこのピリオドを落した。

 《2P》0−0のあと、松本はグラウンドの攻撃で上から返えして3−0とし、ピリオドスコアを1−1とした。、

 《3P》0−0のあとのグラウンドの攻防で1点ずるゲット。松本選手がラスト・ポイントで勝ち、決勝進出を決めた。

決 勝 ○[2−1(3-BLast,5-0,5-0)] Adomaitis Laimuitis(リトアニア)

 《1P》スタンドは0−0。グラウンドの攻撃で松本が俵返し決めて3−0とリードした。しかしローリングされて3−3。ラスト・ポイントで相手が先取。

 《2P》松本がもろ差しからバックを取って1−0。グラウンド攻撃で俵返しを決めてリードを広げ、ピリオドスコア1−1のタイへ。

 《3P》松本がスタンドの攻撃で、腕取りからバックを取り、リフトで3−0。グラウンドの攻撃で返えして5−0とリードを広げ、防御では相手のローリングをブロック。優勝を決めた。

3位決定戦 Brad Vering(米国)○[2−1(5-3,1-@Last,3-0)]● Zoltan Todor(ハンガリー)
3位決定戦 Denis Mikolajew(イスラエル)○[不戦勝]● Kugakov(ロシア)


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