笹本睦(綜合警備)鶴巻宰(国士大)が銅メダル…ニコラ・ペトロフ国際大会最終日【2006年3月20日】





 男子グレコローマンのゴールデン・グランプリ大会「ニコラ・ペトロフ国際大会」最終日は3月19日、ブルガリア・ソフィアで行われ60kg級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)と74kg級の鶴巻宰(国士大)がともに銅メダルを獲得。賞金1000ドル(約11万8000円)を手にした。

 笹本は準決勝で、昨年の世界選手権の準々決勝で敗れたエウセビウ・ディアコヌ(ルーマニア)に敗れたが、続く3位決定戦で昨年の世界ジュニア王者を2−1で下した。鶴巻も2連勝したあとの準決勝でフランス選手に敗れたが、3位決定戦で勝った。

 この日で大会が終わり、日本はこの日の銅メダル2個に終わった。(レポート・撮影=保高幸子)


 【60kg級】笹本睦(ALSOK綜合警備保障)   3位

1回戦 ○[2−0(3-0,@Last-1)] Tengizbayev Nurbakhit(カザフスタン)

 《1P》笹本は1本背負いを狙うが失敗。両者得点なくコイントスでカザフスタン先攻。笹本うまくこらえ、相手が腰から下を触ったということでスタンドになり、笹本が守り切って1ポイント獲得。笹本の攻撃は、俵返しからすぐにローリングの体勢へ。きれいにまわし2ポ イント獲得。

 《2P》コイントスで笹本先攻。俵返しからがぶりを狙うが相手に立たれ、一本背負いも失敗して得点なく、相手に1ポイント。しかし防御では相手の攻撃はうまくかわし、守り切ってラストポイントを獲得。

2回戦 ○[2−1(0-5,4-0,2-1)] Bunjamin Emik(トルコ)

 《1P》コイントスでトルコ選手が先攻。俵返しがきれいにきまり5ポイント。

 《2P》笹本は背負い投げや胴タックルに行くが失敗。コイントスで笹本が先攻。俵の構えから返して2ポイント。そのままがぶり返しで2ポイント。さらにデンジャーポジションに持ち込み、30秒の時間が過ぎて、ルールによって相手のグラウンドからの攻撃の番はなし。

 《3P》コイントスでトルコ選手が先攻。フライングが2度あり、笹本に1ポイントが入る。スタンドから再開して、トルコは時間内に得点できず、笹本に1ポイント。笹本の攻撃でも時間内に得点できず1ポイント失うが、2−1で勝った。

準決勝 ●[0−2(0-5,0-4)] Diaconu Eujebiu(ルーマニア)

 《1P》コイントスで笹本が先攻。がぶったところを上に乗られて2ポイント失う。そのまま得点できず30秒過ぎ、相手にもう1ポイント。相手の攻撃になり、笹本は攻撃的な守りをしたが、うまく返されてしまい2ポイント失った。

 《2P》コイントスで笹本が先攻。俵で持ち上げるが返せず、倒れてバックに回られ1ポイントとられる。30秒が過ぎ、相手にもう1ポイントが入る。相手の攻撃では、俵返しで持ち上げられ、すこし体を返された上、足を触ってしまって1ポイントを取られた。

3位決定戦 ○[2−1(TF7-0,TF0-9,TF6-0)] Davor Stefanek(セルビアモンテネグロ)

 《1P》笹本が胴タックルからバックを取り、1ポイントを獲得してローリングで1ポイント加点。1分が終了し、笹本のグラウンド攻撃から始まる。がぶり返しで2ポイント奪い、スタンドからもう一度がぶり返し。3ポイント奪ってテクニカルフォール。

 《2P》コイントスで笹本が先攻。しかし俵返しの体勢が崩れて相手に上に乗られ2失点。5秒カウントが入ってもう1ポイント失う。笹本はポイントなく終了し、もう1ポイント与えてしまう。防御に回った笹本は俵返しで返され5ポイントを与えてしまった。

 《3P》相手は消極的なレスリングで警告を受け、笹本に1ポイントが入った。グラウンドは笹本の攻撃から。俵返しで5ポイント奪い、3位を決めた。

 笹本睦の話「力不足です。3位になりましたが、危なかったです。自分の持っている技すべてのレベルをあげる練習をし、世界を取れる力をつけたいです」


 【74kg級】鶴巻宰(国士大)   3位

1回戦 ○[2−0(TF8-0,3-0)] Kuirkvelia Manuchar(グルジア)

 《1P》コイントスで鶴巻が先攻。俵の体勢で持ち上げるが、相手が足をかけたということで鶴巻が2ポイント獲得。中央に戻り、ローリングで1ポイント獲得し、すかさず押し出してもう1ポイント追加。グルジアの攻撃では、鶴巻がうまく立ち、相手のバックをとって1ポイント獲得。そのまま相手の体を少し返して2ポイント追加。相手にポイントはなく、守りの鶴巻に1ポイント入って8−0。

 《2P》コイントスで鶴巻が先攻。相手がフライングを2度し、鶴巻に2ポ イント。そのまま攻撃が終わった。相手の攻撃で鶴巻はまわされそうになるが、その前に場外に出たためスタンドになり、守り切って1ポイント獲得。

2回戦 ○[2−0(5-0,7-2)] Emre Comlekcioglu(トルコ)

 《1P》コイントスで鶴巻が先攻。5ポイントの俵返しでピリオド終了。

 《2P》コイントスでトルコの先攻。鶴巻はこらえるが、返され2ポイント失う。鶴巻の攻撃では、トルコがフライングを取られ、鶴巻に2ポイント。再度グラウンドポジションから始まり、鶴巻がうまく持ち上げて豪快な俵返し。5ポイント獲得でラウンド終了

準決勝 ●[0−2(1-2,0-5)] Guenot Christophe(フランス)

 《1P》組み手争いに負けなかった鶴巻だが、得点はならずコイントス。鶴巻の先攻で、構えをすぐにローリングにかえ、まわして1ポイント獲得。相手の攻撃の番では、ローリングされたところをうまく乗っていったが、なぜか足を使ったと取られて2ポイント失い逆転負け。

 《2P》コイントスで相手の先攻。鶴巻は5ポイントの俵返しをくらう。

3位決定戦 ○[フォール2P(TF7-0,F7-0)] Kostantinos Papadopulos(ギリシア)

 《1P》鶴巻が胴タックルからバックを取り1ポイント獲得。1分が終了し、鶴巻の攻撃。俵返しで5ポイント奪った。

 《2P》コイントスで鶴巻が先攻。相手が足を触り、鶴巻が2ポイント獲得。再スタートで鶴巻は俵返しの構えで持ち上げ、前から相手を落とし5ポイントを獲得。そのままフォールした。

 鶴巻宰の話「うれしいです。初めは外国では全く通用しなかったのですが勝てるようになってきて、今回3位になることができました。準決勝では気を抜かなければ勝てたのにな…という悔しい思いもあります。まだまだ勉強することがあると思いました」



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