【特集】連勝記録を「89」に伸ばし世界V4に挑戦…55kg級・吉田沙保里【2006年3月29日】






 55kg級の吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)が、若手選手をまったく寄せ付けずに5連覇を達成。公式戦の連勝記録を「89」に伸ばし、9月の世界選手権の代表を決めて4連覇を狙うことになった。

 決勝では全日本選手権に続いて松川千華子(日大)と対戦。4月6日に始まるアジア選手権の代表に選ばれている松川の奮闘が期待されたが、吉田の強さは際立っていた。得意の片足タックルで先制すると、2度目のタックルからフォールに持ち込むまで試合開始からわずか1分1秒。「今日はすべてテクニカルフォールかフォールだったのでいい試合だったと思います」。世界王者は涼しい顔で言ってのけた。

 無敵の吉田だが、向上心の失わないところが世界チャンピオンたるゆえんである。最近では以前から取り組んでいた体重増に効果が出てきたという。「以前なら練習後に55kgを切ってしまったけど、今は練習後でも56kgある。とにかく好きな物を食べて、あとはウエートです」。

 北京五輪に向けては山本聖子、坂本日登美が55kg級にクラスを変更する予定。国内のみならず、世界中から狙われる立場の吉田は「覚悟はしている。みなさんが私を研究してくると思うけど、研究されても負けないような自分を作りたい。期待に応えられるようこれからも無敗を続けていきたい」と宣言。打倒吉田に正面から受けて立つ意気込みだ。

(文=渋谷淳)


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