【特集】右鎖骨負傷を乗り越ええて貫録の優勝…63kg級・伊調馨【2006年3月29日】






 アテネ五輪63kg級金メダリストの伊調馨(中京女大)が、期待を裏切らない安定したレスリングで大会6連覇を達成。第一人者らしい堂々の試合内容で、世界選手権へのキップを手に入れた。

 決勝の相手は高校生の井上佳子(愛知・至学館高)だった。伊調は試合5日前のスパーリングで右鎖骨を負傷し、万全な状態ではなかったというが、世界のトップを走り続ける王者は底力が違う。「とにかくポイントを先に取る」という言葉通り、終始攻め続ける積極的なレスリングで、井上を防戦一方に追い込んだ。

 結局、2試合を無失点で優勝した。試合からはけがの影響を感じさせなかったが、「内容にこだわったけど、けがもあって思うような試合ができなかった。今日は世界選手権の出場権が獲得できてうれしい」と、試合後は意外にも安堵の表情。「今年は北京への本当の戦いが始まる年だと思う。まずはけがを治し、気を引き締めて今年も全部勝てるようにしたい」と06年の全勝を宣言した。

 また、PRIDEを主催するドリーム・ステージ・エンターテインメントと契約し話題となった石井千恵(中京女大卒)は準決勝で井上に敗れた。今後はプロレスに本格参戦するという。「体力が落ちていた。決勝戦で伊調選手とやりたかったのに悔しい」と語り、アマレス大会への継続参戦も表明した。


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