【特集】成長株も撃破して世界選手権キップ獲得…67kg級・坂本襟【2006年3月29日】






 昨年、全日本選手権を初めて制した67kg級の坂本襟(ワァークスジャパン)が、元全日本チャンピオンのライバル、菅原美々(警視庁ク)を下し、2大会連続の世界選手権出場を決めた。

 坂本は準決勝で成長株の鈴木博恵(愛知・立命館宇治高)と対戦した。鈴木は1月の「ヤリギン国際大会」(ロシア)、3月の「クリッパン女子国際大会」(スウェーデン)でともに銅メダルを獲得した成長株。第1ピリオドこそ鈴木の健闘が光ったものの、第2ピリオドに入ると常に先手で攻撃を仕掛ける坂本が試合の主導権を握り、そのまま押し切る形となった。

 決勝は、準決勝で昨年の世界ジュニア・チャンピオンの新海真美(中京女大)を下した菅原との対戦。第1ピリオドを先制して迎えた第2ピリオド、バックからのニアフォールで4ポイントを先取するも、続けて2ポイントを失う苦しい展開。それでも最後は世界選手権への強い気持ちで逃げ切った。

 昨年の世界選手権では日本選手として唯一メダルを逃した。坂本は「今まで国内で負けたどの試合よりも悔しかった」と当時を振り返る。2度目となる世界の大舞台でリベンジに挑む坂本は「クイーンズカップの前から世界選手権のことしか頭になかった。北京五輪は72kg級で目指そうと思っているけど、67kg級で結果を出さなければ先はないと思う」と決意表明。

 世界選手権で弾みをつけ、浜口京子(ジャパンビバレッジ)への挑戦資格を得る腹積もりだ。

(文=渋谷淳)


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