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山梨学院大レスリング部にパンクラチオン・チームが発足
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山梨学院大レスリング部は４月12日、パンクラチオン・チームの発足を発表し、同大学の道場で日本協会の福田富昭会長やPRIDEを主催するドリーム・ステージ・エンターテインメント（ＤＳＥ）の高田延彦統括本部長らの出席のもと、発足式を行った。同大学の柔道部とラグビー部の選手もデモンストレーションを見学した。
パンクラチオンは、元は古代ギリシャ・ローマ時代に行われていた格闘技の名称。現在では、日本協会が国際レスリング連盟（FILA）に提案し、男子グレコローマン、男子フリースタイル、女子に続く第４のレスリング・スタイルとして確立を目指している格闘競技種目。通常のレスリングに加え、絞め技、関節技が取り入れられ、今年３月18日に東京・町田市でテストマッチが行われたばかり。
山梨学院大レスリング部（下田正二郎部長、高田裕司監督）は、レスリング部員47人のうちから１、２年生11選手を選抜してパンクラチオン・チームをつくり、レスリングの練習と並行してパンクラチオンの練習をさせるという。朝練習と夕刻の練習はレスリング部としての練習に参加させ、お昼休みを含めた正午から午後２時半の間にＰＲＩＤＥから派遣されたトップファイターに指導をお願いし、パンクラチオンの練習が行われる。
１、２年生に絞ったのは「絞め技や関節技をしっかりマスターして闘えるようになるには、２、３年はかかる」（高田監督）ため。背中をマットにつけてはならないレスリングと、時に背中をマットにつけた方が有利になるパンクラチオンとは相反する部分もあるが、「切り替えがしっかりできれば、レスリングにもプラスになるいはず。練習時間が増え、パワーとスタミナ面の向上が見込める」と、パンクラチオンチームの発足による効果を説明した。
選手たちのデビューは来年３月のパンクラチオン大会となりそうだが、「他の大学でも追従してほしい。まず大学間での対抗戦をやりたい」と、他大学にも発足を呼びかけたいという。
ＤＳＥからは、「いずれＰＲＩＤＥのリングに上がる選手が育ってほしい」という希望からサンドバッグやグローブ、スウィットシャツが寄贈。高田統括本部長は「パンクラチオンが五輪種目になるための一歩がスタートした」とあいさつした。
日本協会・福田富昭会長の話「日本の大学での初の総合格闘技チームの発足を祝福したい。パンクラチオンは古代オリンピックで行われていた由緒ある格闘技。当時のルールそのままでは現代にそぐわないため、打撃を排除してオリンピック種目を目指す。ＤＳＥの協力に感謝したい。今年６月のＦＩＬＡ理事会で正式に認めてもらい、世界に発信したい。ここがオリンピック種目への道のスタートです」
ＤＳＥ・島田裕二ルールディレクター（榊原信行社長代理）の話「パンクラチオン・チームの発足は大変喜ばしいこと。総合格闘技は盛んになってはいるが、底辺拡大の面ではまだまだ。パンクラチオン・チームが盛んになれば、もっと盛り上がってくれると思う。期待したい」
ＤＳＥ・高田延彦統括本部長の話「ここで練習した選手が、ゆくゆくはＰＲＩＤＥのリングで活躍できるように全面的にバックアップしていきたい。競技の発展には、底辺拡大が必要で、それには夢を持ってその競技に取り組む子供達が増えてくれることが必要。（通常のレスリングで）オリンピックに出られなくとも、（プロへ進んで）やってきたことが生かせるとなれば、競技に取り組む選手が増えるはず」
下田正二郎・山梨学院大レスリング部部長の話「パンクラチオンは紀元前684年から公式記録に載っている歴史のある格闘技。日本協会の一員として、復興と発展に全面的に協力したい」
高田裕司・山梨学院大レスリング部監督の話「レスリングの底辺を広げるためにも、パンクラチオン・チームを発足させた。見切り発車だとは思うが、確信はある。（2001年３月の）世界サブミッションレスリング選手権（通称アブダビ・コンバット大会）に山梨学院大の選手を参加させたことがあるが、その時は全員が惨敗。レスリングの練習だけでは、このルールの下では勝てないと痛感した。オリンピックとプロで両立できる選手が出てくるのが理想だが、パンクラチオンで得たものがレスリングにも生きるはず」
◎山梨学院大レスリング部パンクラチオン・チーム
【63kg級】大沢茂樹（２年＝茨城・霞ヶ浦高卒）、伊藤雄太（２年＝山形・山形商高卒）
【74kg級】森川一樹（１年＝茨城・霞ヶ浦高卒）、高橋慶次郎（２年＝宮城・東北工大高卒）、
奈良部嘉明（２年＝茨城・霞ヶ浦高卒）、岸村健悟（２年＝滋賀・八幡工高卒）
【83kg級】吉田（２年＝滋賀・栗東高卒）、小室直人（１年＝茨城・霞ヶ浦高卒）
【93kg級】山本雄資（２年＝香川・多度津工高卒）、渡辺瑞樹（１年＝宮城・宮城工高卒）
【120kg級】ボリス・ムジコフ（１年＝ロシア）