【特集】昨年準優勝の悔しさを胸に突き進む早大…東日本学生リーグ戦展望(2)【2006年5月4日】






 昨年の東日本学生リーグ戦を1〜3年生主体の布陣で準優勝した早大。今年の大会(5月11〜12・22日、東京・駒沢体育館)では58年ぶりの優勝を目指している。「時は満ちた。もう優勝しかない」と言う佐藤吏主将
(右写真の赤=昨年大会の決勝戦)は、意気込むというより淡々としている。

 早大といえば、“チーム一丸”となる力が魅力だ。4月22〜23日に行われたJOC杯ジュニアオリンピックでも、チームみんなで盛り上げていく姿が印象的だった。結果は、フリースタイルで74kg級の大月葵斐
(下写真)と96s級の浅見哲郎が優勝、60s級の安沢薫が準優勝、55s級の藤元洋平が3位に入賞した。グレコローマンでも120s級の安田伊織が優勝しており絶好調。

 「JOC杯前までは不安だった」(太田拓弥コーチ)そうだが、この好成績でモチベーションが上がり、リーグ戦に向けていい流れを作ることができた。今年のチームは「個性があっておもしろい」(太田拓弥コーチ)、「それぞれが自分のレスリングを持っている」(佐藤主将)。チーム全体としての戦い方に加え、個人の戦い方にも見所が満載だ。

 佐藤主将は、昨年12月の天皇杯全日本選手権で、フリースタイルの中でも特に激戦区の66s級でチャンピオンに輝いた実力者。太田コーチも絶大な信頼を置いている。その佐藤主将本人は「ぼくだけがチームを引っ張るのではなく、みんなで引っ張っていく」と全員が主役であることを強調する。

 昨年のメンバーがそのまま残ることで注目を集めている早大。しかし「プレッシャーはない」ときっぱり答える。昨年の悔しさを、本番で爆発させることができるか。今年の早大は、昨年に増しておもしろい存在だ。

(取材・文=神谷衣香)


◎本HPが予想するメンバー

監 督 伊江 邦男
階 級 選手名 学年 主 な 成 績 出身高校
55kg級 藤元 愼平 05年全日本学生選手権2位 福岡・三井
60kg級 安沢  薫 06年JOC杯2位 神奈川・向上
66kg級 佐藤  吏 05年全日本選手権優勝 秋田・秋田商
74kg級 大月 葵斐 2年 06年JOC杯優勝 大分・日本文理大付
84kg級 木村 元気 4年 05年全日本大学選手権8位 香川・高松北
96kg級 伊藤 拓也 3年 05年全日本大学選手権3位 岩手・盛岡工
120kg級 安田 伊織 3年 05年全日本大学グレコ選手権3位 秋田・秋田経法大付



《前ページへ戻る》