全日本女子チームが今年度2回目の合宿【2006年5月5日】





 第6回女子ワールドカップ(5月20〜21日、名古屋市・稲永スポーツセンター)の日本代表選手を中心とした全日本女子チームが5月3日から、まだ残雪景色の新潟県十日町市の桜花レスリング道場
(左写真=道場窓からの風景)で合宿をスタート(今年度2度目)。4日、報道陣に練習を公開した。

 この日は日本協会の福田富昭会長、ワールドカップの浜口平吾団長(浜口ジム)らも練習に参加。浜口団長は「世間はゴールデンウイークだが、レスリング選手は練習の毎日で強くなる。東京や所属での練習もいいけど、大自然に囲まれた環境の中で練習することで精神力を鍛えることができる」と、山中へ“幽閉”しての練習の効果を説明。ワールドカップは「中国だけでなく、アメリカ、カナダ、ロシア、ウクライナと、弱い国はなくどこもそん色ない。常に気を抜かずに闘いたい」と話した。

 合宿は7日まで行われ、5月17日からは中京女大で直前合宿へ入る。



 栄和人監督(中京女大職)「どの試合も7−0で優勝を狙いたいが、どの国も力をつけている。3勝3敗でいって、72kg級で勝負というケースも想定している。名古屋開催が決まってから、常に優勝を意識してやってきた。地元開催での緊張はあるが、これに勝たないとならない」

 
48kg級・伊調千春(主将=ALSOK綜合警備保障)「2kgオーバー計量の大会ですけど、世界選手権の気持ちは同じです。優勝できるように全力を尽くします。主将としてのプレッシャーはありません。みんなプロですから、自分のやるべきことを分かっていますから。北京オリンピックまであと2年あまり。ただ、がむしゃらにやるだけではなく、考えたレスリングをやりたい。練習を後輩に撮影させ、いつもビデオで研究したりしています」

 
48kg級・坂本真喜子(自衛隊)「クイーンズカップで負けてしまい、ワールドカップが今年の大きな大会になりました。出場するとなったら、日本代表として責任をもって闘いたい。全日本合宿では(伊調)千春さんとやることが多く、プラスが多いです。私にとっては、この1年間が勝負だと思います。タックル以外の技を身につけたいと思います」

 
51kg級・坂本日登美(自衛隊=左写真の左「48kg級の世界チャンピオン(任雪層=レン・シュエセン=中国)が51kg級に出てくるというので、気合が入ります。(昨年の世界選手権で闘った)真喜子からも話を聞いて見たい。でも、51kg級でやるのは今年のワールドカップと世界選手権で最後。常に55kg級で闘うことを意識しています。(吉田)沙保里とは1年前までは大人と子供でしたが、今は差が縮まっており、やるべき課題が見つかっています」

 
51kg級・甲斐友梨(中京女大)「練習するしかありません。試合に出るとなったらい、やるしかありません。アジア選手権で、組まれたら何もできない自分の弱点が分かりました。これの克服に全力で取り組んでいます」

 
55kg級・吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障=右写真「ゴールデンウィークは毎年ここで迎えています。勝つためには練習。頑張って強くなりたい。ワールドカップには、世界選手権の2〜3位の選手が来ます。団体戦ですけど、自分の連勝記録もあります。絶対に負けられません」

 
55kg級・松川知華子(日大)「ここで合宿が辛いですけど、終わってみると自信に変わるので、とてもいい環境だと思います。チームの雰囲気はとてもいいです。試合に出ることがあったら、思い切りぶつかっていきたいと思います」

 
59kg級・山本聖子(ジャパンビバレッジ)「ちょっと腰が痛いのですけど、間もなく治ると思います。焦らないようにしたい。ワールドカップでは与えられた試合は絶対に勝ちたい。2年前のワールドカップで負けたサリー・ロバーツ(米国)が来ます。前回はケガのあとで練習ができず、バテバテの状態でした。今回は圧勝します。その向こうには6月4日の(世界選手権代表決定)プレーオフがあります。こちらも何があっても勝ちます」

 
59kg級・西牧未央(中京女大)「代表に選ばれてびっくりしています。(昨年12月の)全日本選手権も、ことしのクイーンズカップも、いろんな人から『惜しかった』と言われますけど、負けてしまってダメ。勝って評価されなければなりません。試合に出ることがあったら、絶対に勝ちたい・

 
63kg級・伊調馨(中京女大)「(負傷からカムバックして)レスリングができる喜びを感じています。レスリングをやる分には、けがの影響はありません。例年のワールドカップに比べると、世界のトップ選手が参加してきて、世界選手権並みの大会ですね。(2002年アジア大会で負けた中国の)シュ・ハイアンが来ますけど、あの負けが私を強くしてくれました。その感謝の気持ちをこめてリベンジし、ありがとう、と言いたいと思います」

 
63kg級・正田絢子(ジャパンビバレッジ)「アジア選手権の63kg級では、かなり体格差を感じましたが、今回は2kgオーバー計量なので、もっと感じると思います。体重一気に増えないので、技やパワーで勝負したい。結果だけではなく、勝ち方にもこだわって、いい形で次の階級にバトンタッチしたいと思います」

 
67kg級・新海真美(中京女大=左写真の左「シニアの大会はまだ経験していません。今回は思い切りいくことを心がけたいと思います。合宿では浜口(京子)さんとスパー佳子リングする機会に恵まれていますけど、迫力があります。迫力で相手にプレッシャーを与えられる選手になりたいと思います」

 
67kg級・井上佳子(愛知・至学館高)「発表の1週間くらい前に選ばれることを聞きました。栄監督(全日本チーム監督)の期待を感じます。選んでもらった以上、試合では頑張りたい。勝負になれば、年齢は関係ない。(負傷で出場できなくなった)坂本襟先輩のためにも、自分のためにもベストを尽くしたい」

 
72kg級・浜口京子(ジャパンビバレッジ=右写真「今年は国内だけでなく、海外でも実戦を積んできたので、最高にいい状態です。ワールドカップのためとは限らずに、1日1日を精いっぱいレスリングに捧げたい。ワールドカップは3年前の(日本が2位に転落した大会)の悔しい思い出がありますが、あのつまずきが私を大きくしてくれた大会です。(昨年の世界選手権で負けた米国のアイリス・スミスの不出場は)どの相手でも、マットの上に立てば全力で闘うだけですから、関係ありません」

 
72kg級・村島文子(中京女大ク)「日本が優勝できるために、自分のできることをしっかりやりたい。たとえ試合に出ることがなくても、チームをサポートしていきます。以前は浜口さんには全く相手にならなかったけど、今は少しは差は縮まっていると思いますし、人からも『強くなっているね』と言われます。こうした言葉を信じ、励みにして頑張っていきたい」



《前ページへ戻る》