【特集】日大“3冠奪取”の序章へ向けて…東日本学生リーグ戦展望(3)【2006年5月7日】






 「(優勝する)自信はあまりない」と、日大の富山英明監督と松本真也主将
(左写真)は声をそろえた。間もなく始まる東日本学生リーグ戦(5月11〜12・22日、東京・駒沢体育館)へ向けて、昨年、全日本学生王座決定戦と全日本大学選手権を制した日大からの予期せぬ発言だった。

 松本主将が警戒しているのはチームの過信だ。「昨年2冠をとったといううぬぼれがあっては駄目」と気を引き締める。ここ2年間、リーグ戦優勝だけは縁がない。松本主将は、その原因が「過信」だったと分析する。昨年強かったから今年も強いとは限らない。さらに、主将が全日本王者だからチームが強いわけではない。松本主将にはそれが分かっている。

 部員が30人以上いるにもかかわらず、道場はマット1面という厳しい環境
(下写真)。そんな中、量をこなし、苦しいまでの練習に精を出している。しかし、松本主将は「練習にも自信はない。まだ結果が出ていないので、分からない」と首をかしげる。

しかし、「こういう(自信がない)時の方がおもしろい。あきらめないで最後までやる」と富山監督。覇気のある練習を見れば、「優勝候補でない」とは言い難い。本番でどれだけチーム全体のモチベーションを上げられるかが鍵を握りそうだ。

「今のままでは優勝はない。優勝できる状態に間に合わせたい」と言う松本主将に焦る様子はなく、冷静さが漂う。日大が年間3冠(東日本学生リーグ戦、全日本学生王座決定戦、全日本大学選手権)をもぎ取るためには、まず東日本王者に輝かなければならない。チーム全員がその意識を持つことができれば、チャンスは訪れるだろう。

(取材・文=神谷衣香)


◎本HPが予想するメンバー

監 督 富山 英明
階 級 選手名 学年 主 な 成 績 出身高校
55kg級 赤松 雄二 3年   愛媛・今治工
60kg級 高塚 紀行 3年 05年全日本学生王者 茨城・霞ヶ浦
66kg級 辻村  崇 3年   神奈川・日大藤沢
74kg級 秋本 直樹 4年 05年JOC杯優勝 秋田・秋田経法大付
84kg級 山縣 養一 3年 05年全日本学生選手権2位 神奈川・日大藤沢
96kg級 松本 真也 4年 05年全日本王者 京都・網野
120kg級 高橋 信一 3年 05年東日本学生秋季新人戦2位 東京・東京工




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