【特集】タイトル奪還へ燃える日体大…東日本学生リーグ戦展望(4)完【2006年5月9日】






 昨年、団体戦で“無冠”という屈辱。特に東日本学生リーグ戦のAグループ6回戦で早大に敗れた時の記憶は、今年のメンバーの頭から消えないままだ。フリースタイル60s級全日本王者の湯元健一主将
(右写真)は、今年の大会(5月11〜12・22日、東京・駒沢体育館)を目前に控え、「絶対に復活したい」と闘志を燃やしている。

 湯元主将は「日本一の称号をみんなで獲るのはおもしろい。大学のタイトルは大事」と団体戦を重視している。自身の連覇と世界選手権の切符をかけた明治乳業杯全日本選抜選手権(6月3〜4日、東京・代々木第二体育館)が迫っていても、焦点はリーグ戦に置いているようだ。

 日体大の部員は80人にも及ぶ
(下写真)。全員に目を配るのは至難の業だが、集中できていない人を見つけたら、必ず声をかけるようにしているという。「『俺は関係ない』という選手を一人も出さない」。これは湯元主将が昨年から考えていたことだ。今では全員が集中して取り組むようになった。

 藤本英男部長が「一人ひとりを磨いた80人でなければ駄目」と言うように、部員が多くても、全員が監督とコーチから大切にされ指導されている。常に試合に近い練習をしているからなのだろう、リーグ戦前だからといって特別なメニューは組まない。「練習環境は大学で一番いい」と湯元主将は胸を張る。だからこそ「勝たなきゃいけない」という危機感を募らせている。

4月22〜23日に行われたJOC杯ジュニアオリンピックの男子ジュニアの部でも、フリースタイルで優勝2人、3位入賞3人、グレコローマンで優勝4人、準優勝2人、3位入賞6人という大学一優れた結果を残している。日体大が “強豪”であることは間違いない。

湯元主将の思いは一つ。「やっぱり日体大は強いなってすべての人に思わせたい」。“真の王者”であることを証明できるか。タイトル奪還を誓う80人の選手たちに注目だ。

(取材・文=神谷衣香)


◎本HPが予想するメンバー

監 督 安達  巧  
階 級 選手名 学年 主 な 成 績 出身高校
55kg級 久安 保史 03年アジア・ジュニア2位 岡山・倉敷
60kg級 湯元 健一 4年 05年全日本王者 和歌山・和歌山工
66kg級 横山  太   岡山・笠岡工
74kg級 種市 吉寿 05年全日本大学選手権5位 青森・八戸工大一
84kg級 藤本 大輔 06年JOC杯2位 奈良・広陵
96kg級 門間 順輝 06年JOC杯84kg級優勝 秋田・秋田商
120kg級 桜井 紀宏 3年 05年全日本学生選手権2位 新潟・新潟県央工


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