徳山大が11季ぶり14度目の優勝…西日本学生春季リーグ戦【2006年5月16日】






 西日本学生春季リーグ戦は5月13〜14日、大阪府立体育会館第二競技場で行われ、Bグループ1位の徳山大が決勝でAグループ1位の立命館大を4−3で下し、同大学の10連覇を阻むとともに、2000年秋季以来11季ぶり14度目の優勝を飾った。3位は日本文理大。二部リーグは、天理大が6戦全勝で優勝した。


 その瞬間、マット2面のこじんまりとした会場は、どよめきと歓声で埋めつくされた。4−3の大接戦の末、徳山大の11季ぶり執念の首位奪回だ。

 立命館大の10連覇を阻み、躍り上がって抱き合い、全員がはじける笑顔だった。すぐさま守田武史監督の胴上げが始まり、柴田寛コーチは自らがバタンとマットに仰向けになり、胴上げを待ち構えた。100kgを超えるの沢田直樹コーチの体はさすがに宙を舞うほどは上げられず、笑いの渦だった。城戸義貴主将の小柄な体は喜びにあふれ、体育館の天井に向かって回転していた。

 「これから黄金期を築いて行く!」。胴上げ後、部員を集めて守田監督は努めて冷静に、しかし力強く決意を語った。柴田コーチは「良くやってくれたが、ここで気をゆるめるな・・」。5年間の思いが一挙にこみあげてきたのか、言葉を詰まらせた。興奮気味だった部員達も、目を潤ませていた。

 表彰式後に改めて感想を聞いた。

 
沢田直樹コーチ「この4月に赴任したばかりで、優勝できてすごくうれしい。コイントスで7回中2回しか徳山に回ってこなかった。勝つのは大変、いい経験になりました」

 
城戸義貴主将「コーチ、監督、部員といいメンバーに恵まれたおかげ。みんながあっての優勝です。これで終わらず気を引き締めて行きます!」(城戸主将は、普段はクールな印象だが、自分が試合に勝ったことによって優勝の可能性が現実味を帯び、責任を果たせた喜びからかマット上で宙返りをし、拳を高く掲げた)

 
守田武史監督「最高にうれしいですね! ずっと2位で、他の大学からも立命館の連破を止めるよう応援してもらい、ありがたかったですね」(青年のような実にさわやかな笑顔で喜びを語った)

 9連覇の快挙を成し遂げた大学がこのまま終わるわけがない。今度は追われる立場になった徳山大。この秋のリーグ戦は今まで以上に熱くなるに違いない。

一部優勝 徳山大 二部優勝 天理大

(文・写真=武田明子)


一部リーグ 二部リーグ

 ◎一部リーグ

 【Aグループ】

立命館大○[6−1]●南九州大
日本文理大○[6−1]●桃山学院大

立命館大○[6−1]●桃山学院大
日本文理大○[4−3]●南九州大

立命館大○[5−2]●日本文理大
南九州大○[5−2]●桃山学院大

 
《Aグループ順位》[1]立命館大 3勝、[2]日本文理大 2勝1敗、[3]南九州大 1勝2敗、[4]桃山学院大 3敗

 【Bグループ】

徳山大○[6−1]●同志社大
中京学院大○[4−3]●福岡大

徳山大○[7−0]●福岡大
中京学院大○[5−2]●同志社大

福岡大○[4−3]●同志社大
徳山大○[6−1]●中京学院大

 
《Bグループ順位》[1]徳山大3勝、[2]福岡大1勝2敗、[3]中京学院大2勝1敗、[4]同志社大3敗

 
【順位決定戦】

 ▼7・8位決定戦
同志社大○[4−3]●桃山学院大

 ▼5・6位決定戦
福岡大○[5−2]●南九州大

 ▼3位決定戦
日本文理大○[6−1]●中京学院大

 ▼決勝
徳山大○[4−3]●立命館大


 ◎二部リーグ

天理大○[7−0]●京都産業大
近 大○[7−0]●帝塚山大
関 大○[7−0]●大阪体育大
天理大○[7−0]●関西学院大
近 大○[6−1]●京都産業大
関 大○[5−2]●帝塚山大
関西学院大○[7−0]●大阪体育大
天理大○[7−0]●帝塚山大
近 大○[5−2]●関 大
京都産業大○[4−3]●関西学院大
天理大○[7−0]●大阪体育大

帝塚山大○[4−3]●京都産業大
関西学院大○[4−3]●帝塚山大
天理大○[6−1]●関 大
近 大○[6−1]●関西学院大
関 大○[7−0]●京都産業大
関 大○[6−1]●関西学院大
天理大○[4−3]●近 大

 ※大阪体育大は2日目、棄権。

 
《順位》[1]天理大6勝、[2]近大5勝1敗、[3]関大4勝2敗、[4]関西学院大3勝3敗、[5]帝塚山大2勝4敗、[6]京都産業大1勝5敗、[7]大阪体育大6敗(不戦敗を含む)

 《個人賞》

▼八田杯 城戸義貴(徳山大)、▼小田原杯 永田豊治(天理大)、▼松井杯 藤永大吾(立命館大)、▼井川杯 伐渡裕樹(近大)



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