日本がカナダを破り3年連続5度目の優勝…女子ワールドカップ最終日【2006年5月21日】






 第6回女子ワールドカップ(正式名称=2006女子レスリング トヨタワールドカップ名古屋)最終日は5月21日、名古屋市の稲永スポーツセンターで決勝までが行れ、A組1位の日本が決勝でカナダを6−1で下し、3年連続5度目の優勝を飾った。最優秀選手には55kg級の吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)が選ばれ、トヨタ自動車から次世代車「Vitz」が贈られた。

 日本はA組3回戦でウクライナを6−1で破って決勝進出。カナダとの決勝は第1試合から白星を重ね、最終戦の72kg級で浜口京子(ジャパンビバレッジ)がオヘネワ・アクフォに不覚を喫したものの、チームとして勝って3連覇を達成した。吉田はこの大会で3戦全勝をマークし、国際大会での成績を96戦無敗とし、国内外の連勝記録を「92」に伸ばした。

 3位決定戦は米国がロシアを撃破。5位は中国、6位はウクライナ。各試合結果は下記の通り(細字は第1日の結果。全試合の内訳は、ここをクリック)。

(撮影=矢吹建夫)


◎A組

 ▼1回戦
日本 ○[6−1]●米国

 ▼2回戦
米国 ○[6−1]● ウクライナ


 ▼3回戦

階 級 日   本 ○ 6−1 ● ウクライナ
51kg級 甲斐 友梨 F1P0:21 Oleksandra Kohut
59kg級 西牧 未央 2−0 Olena Komarova
67kg級 井上 佳子 2−0 Voleriya Zlarovo
48kg級 伊調 千春 2−0 Ludmila Balushka
55kg級 吉田沙保里 2−0 Nataliya Synyshyn
63kg級 伊調  馨 2−0 Ludmila Golovchenko
72kg級 浜口 京子 2−0 Svitlana Sayinko


 《順位》[1]日本 2勝、[2]米国 1勝1敗、[3]ウクライナ 2敗

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◎B組

 ▼1回戦
カナダ ○[4−3]● 中 国

 ▼2回戦
カナダ ○[5−2]● ロシア

 ▼3回戦
ロシア ○[4−3]● 中国

 《順位》[1]カナダ 2勝、[2]ロシア 1勝1敗、[3]中国 2敗

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 ◎順位決定戦

 ▼5・6位決定戦
中 国 ○[5−2]● ウクライナ

 ▼3位決定戦
米 国 ○[5−2]● ロシア

 ▼決勝

階 級 日   本 ○ 6−1 ● カナダ
51kg級 坂本日登美 F1P1:23 Belinda Chou
59kg級 西牧 未央 2−0 Breanne Graham
67kg級 新海 真美 2−0 Megan Buydens
48kg級 伊調 千春 2−0 Carol Huynh
55kg級 吉田沙保里 2−0 Tonya Verbeek
63kg級 伊調  馨 F2P1:11 Megan Dolan
72kg級 浜口 京子 0−2 Ohenewa Akuffo

◎日本−ウクライナ試合経過

【51kg級】甲斐友梨(中京女大)●[フォール1P0:21(F3-0)]○Olensandra Kohut

 《1P》甲斐が果敢に正面タックルを仕掛けたが、受け止められ、タックル返しを受けてしまった。背中からマットに落ちた甲斐はそのままフォールされてしまった。

【59kg級】西牧未央(中京女大)○[2−0(3-0,4-0)]●Olena Komarova

 《1P》西牧は開始早々にバックを取って1点を獲得。中盤にも1点を取り、さらにタックルで場外へ出して3−0へ。終了間際にがぶられたものの、こらえてこのままのスコアで終了。

 《2P》西牧が中盤から後半に右脚への片足タックルを2度決め2−0。相手の投げの失敗に乗じてさらに1点を加え、終了間際にも片足タックルを決めて4−0とした。

【67kg級】井上佳子(愛知・至学館高)○[2−0(1-0,3-1)]●Voleriya Zlarovo

 《1P》前半、井上が左脚への片足タックルを決めて1点を先行。その後の相手の攻撃をしのぎ、1−0でこのピリオドを取った。

 《2P》井上が前半、正面からのタックルを決め、相手のタックル返しもこらえて3点を獲得。中盤、がぶりから回り込まれて1点を奪われたが、その後の相手の攻撃をしのいだ。

【48kg級】伊調千春(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(TF6-0=1:01,8-3)]●Ludmila Balushka

 《1P》伊調が相手の投げ技の失敗に乗じて1点を獲得。中盤にも正面タックルを決めて1点。ローリング2回転で4点を加えてテクニカルフォール勝ち。

 《2P》前半、伊調が正面からのタックルで1点を取り、さらにテークダウンを決めて2−0。中盤にも正面タックルを決め、一気にニアフォールを決めて3点を加えた。ラスト30秒、伊調がタックルにいって2点を取ったが、逆に返されて3点を失う不覚。しかし、バックを取り返して1点を返し、8−3で勝った。

【55kg級】吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(TF8-1=1:26,TF6-0=1:16)]●Nataliya Synyshyn

 《1P》吉田が回り込まれて1点を失うスタート。しかし中盤、正面タックルで3点を挙げ、続けざまにニアフォールを奪って5−1。右脚への片足タックルで1点を加え、終了間際にもタックルで2点を加えて8−1とした。(注=公式記録のタイムは1:26)

 《2P》速攻のタックルで吉田が開始直後に1点を獲得。正面タックルから回り込み、中盤にもタックルで1点を加え、横へ崩して2点を追加。もう1度タックルを決めて6−0とした。

【63kg級】伊調馨(中京女大)○[2−0(TF6-0=1:59,TF6-0=1:48)]●Ludmila Golovchenko

 《1P》伊調が正面タックルで1点を先行し、がぶりからの外無双で2点を加えた。さらに左脚への片足タックルで1点を加え、ラスト30秒にも正面タックル。終了間際にも正面タックルで6−0とした。

 《2P》回り込んで1点を先制した伊調は、中盤にもタックルで1点を追加。さらに正面タックルを決めて3点を加え、ラスト20秒、左脚への片足タックルで6−0とした。

【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)○[2−0(2-0、ALast-2)]●Svitlana Sayinko

 《1P》浜口が25秒、正面からのタックルで1点を獲得。続いてのローリングは惜しくも場外と判断される。中盤もタックルから場外へ出したかに見えたが、これもグラウンドでの場外と判断されて0点。ラスト10秒、相手のタックルを回り込んでバックを奪い1点を加えた。

 《2P》40秒、タックルへいった浜口だが、回り込まれて1点を失う。しかし中盤、正面タックルで場外へ出し1−1へ。ラスト30秒、もつれてバックをとられ1−2へ。ラスト5秒、投げの打ち合いで浜口がバックを取り2−2へ。ラストポイントで浜口がこのピリオドを取った。


◎日本−カナダ試合経過

【51kg級】坂本日登美(自衛隊)○[フォール1P1:23(F5-0)]●Belinda Chou

 《1P》相手のタックルをしっかり受けた坂本はバックへ回り1点を先制。すぐに再度バックに回って2−0。相手の一本背負いの失敗でバックへ回った坂本は、腕をとってフォールの体勢へ持ち込み、そのまま押さえ込んだ。

【59kg級】西牧未央(中京女大)○[2−0(2-0,4-0)]●Breanne Graham

 《1P》西牧が右脚への片足タックルへいき1点を獲得。巻き投げを受けたものの、こらえて逆にバックへ回って2−0。そのままのスコアでこのピリオドを取った。

 《2P》右脚への片足タックルへいった西牧。1点を先行し、中盤、もつれてグラウンドになり、ニアフォールへ持ち込んで4−0へ。後半の相手の反撃をしのぎ、このピリオドも失ポイントを許さずに勝った。

【67kg級】新海真美(中京女大)○[2−0(3-0,4-0)]●Megan Buydens

 《1P》新海は開始直後、右脚へタックルにいったが、押さえられ0ポイント。しかし中盤、2度目の片足タックルで横転させ2−0へ。終了間際、相手のタックルをつぶして1点を加え3−0とした。

 《2P》右脚へタックルに入られた新海だが、これはこらえる。逆に右脚へタックルへいったが、これもブレーク。しかし2度目の片足タックルでバックへ回り込み2−0。ラスト12秒、突進する相手を突き落として2点を加え、4−0とした。

【48kg級】伊調千春(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(@Last-1,5-0)]●Belinda Chou

 《1P》伊調は左脚へのタックルを受けてしまい1点を先行された。ブレーク後、伊調が左脚へ片足タックルを決めて1−1へ。ラストポイントを取った伊調がこのピリオドを取った。

 《2P》伊調は相手の一本背負いの失敗に乗じて1点を獲得。中盤、押し出して1点を加え、終盤も相手の投げの失敗を自分のポイントにつなげて1点を加え、さらに相手のがぶり返しの失敗を押さえ込んで5−0とした。

【55kg級】吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(3-0,TF6-0=1:59)]●Tonya Verbeek

 《1P》探り合いが続いたあと、1分10秒、吉田が右脚へタックルを決めて横転させ3点を獲得。そのままのスコアでこのピリオドを取った。

 《2P》開始早々に正面タックルへいった吉田は、つぶされそうになりながらも持ち上げてテークダウンを奪い1−0へ。中盤、左脚へのタックルへいって1点を加え、さらに正面タックル。3点を加えてフォールの体勢へ。惜しくもフォールはならなかったが、6−0として勝った。

【63kg級】伊調馨(中京女大)○[フォール2P1:11(4-0、F6-0=1:11)]●Megan Dolan

 《1P》なかなかポイントの取れなし試合は、後半、伊調がタックル。相手にがぶられ、がぶり返しをこらえる展開となったが、じりじりと自分有利の体勢にした伊調がバックを取り、ニアフォールへつなげて4−0。このピリオドを取った。

 《2P》前へ崩した伊調がバックを奪い、またさきで2点を加えた。2度目のまたさきで2+1点を加え、さらに横四方固めで押さえ込んでフォールを決めた。

【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)●[0−2(0-1,1-2)]○Ohenewa Akuffo

 《1P》探りあいとなった展開は、1分、浜口が押し出されて1点を失った。後半の攻撃でポイントへつなげられず、このピリオドを落とした。

 《2P》探りあいで一進一退の攻防が続き、ラスト1分、浜口がタックルへいったが失敗し、一瞬押さえ込まれた。0−2。ラト21秒。浜口は終了間際にタックルを決めたが1点を取るにとどまり、1−2で敗れた。




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