明治乳業杯全日本選抜選手権 展望(フリースタイル)【2006年5月27日】






 ことしの世界選手権(9月25日〜10月1日、中国・広州)の代表選考会を兼ねた明治乳業杯全日本選抜選手権(男子のみ)は6月3〜4日、東京・代々木第二体育館で行なわれる。各階級の見どころを探った。まずフリースタイル。

 なお、大会日程は下記の通り。

 3日(土)=グレコローマン66・74・96・120kg級、フリースタイル84・96・120kg級

 4日(日)=グレコローマン55・60・84kg級、フリースタイル55・60・66・74kg級


 ◎フリースタイル
 
 【55kg級】

 2年連続全日本チャンピオンで昨年の世界選手権5位の松永共広(ALSOK綜合警備保障
=右写真)が一歩リードしている状況。今年初めにひざを負傷したものの、3月の「ダン・コロフ国際大会」(ブルガリア)で優勝するなど完治しているもよう。全日本2位の稲葉泰弘(専大)は2月の「デーブ・シュルツ国際大会」(米国)で銀メダル、3月の「ウズベキスタン・カップ」(ウズベキスタン)で銅メダル、「ダン・コロフ国際大会」で銀メダルと勢いに乗っている。松本のが城を崩せるか。

 全日本3位の田岡秀規(自衛隊)と齋藤将士(警視庁)も好調だ。田岡は「ウズベキスタン・カップ」で世界王者のディルショド・マンスロフ(ウズベキスタン)をあと一歩まで追い詰めた。齋藤は4月のアジア選手権で銅メダルを獲得。松永を追い落としたい。

 《出場選手》

松永共広(ALSOK綜合警備保障)
稲葉泰弘(専大)
斎藤将士(警視庁警察学校)
田岡秀規(自衛隊)
湯元進一(拓大)
足立竜一(自衛隊)
富田和秀(大東大)
久安保史(日体大)


 【60kg級】

 昨年のこの大会と全日本選手権で優勝した湯元健一(日体大=右写真)が連覇を狙う。全日本2位の高塚紀行(日大)は3月の「ダン・コロフ国際大会」(ブルガリア)で銅メダルを獲得するなど、この冬の国際大会では湯元以上の成績を残している。5月のリーグ戦では66kg級に起用され、期待にこたえる活躍。地力をつけている。全日本選手権のリベンジなるか。

 4月のアジア選手権出場の経験を積んだ全日本3位の井上真一(警視庁)、巻き返しを狙う元全日本王者の太田亮介(警視庁)らが両者の闘いに割って入れるか。55kg級で04年全日本2位で、1階級アップした清水聖志人(クリナップ)のファイトも注目。

 《出場選手》

湯元健一(日体大)
高塚紀行(日大)
井上真一(警視庁)
太田亮介(警視庁)
清水聖志人(クリナップ)
菊池 憲(日体大)
神保 亨(国士大)
藤本健太(近大ク)


 【66kg級】

 全日本選手権優勝の佐藤吏(早大=右写真)と同選手権決勝で惜敗した藤本浩平(拓大)の実力差はほとんどない。冬の全日本遠征を経験した藤本の成長具合はどうか。

 ここに、アテネ五輪5位の池松和彦(K−POWERS)、04年全日本2位の金渕清文(青森・光星学院高教)、1階級アップした前60kg級王者の小島豪臣(周南システム産業)、ことしのJOC杯ジュニアオリンピックを制した若い米満達弘(拓大)が加わり、し烈な闘いが展開されそう。

 《出場選手》

佐藤  吏(早大)
藤本浩平(拓大)
小島豪臣(周南システム産業)
米満達弘(拓大)
山本英典(自衛隊)
井上真彰(山梨学院大)
金渕清文(青森・光星学院高教)
池松和彦(K-POWERS)


 【74kg級】

 アテネ五輪代表で全日本7連覇の小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障=右写真)が首ひとつリードしている状態。全日本選手権ではコイントスの差で敗れた長島和彦(クリナップ)が追い落とすことができるか。

 4月のアジア選手権で銅メダルを取った加藤陽輔(日体大助手)、全日本学生選手権2位の桜井浩二(拓大)、全日本大学選手権2位の相内寿(専大)ら若い選手の台頭はあるか。

 《出場選手》

小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)
長島和幸(クリナップ)
加藤陽輔(日体大))
萱森浩輝(新潟・県央工高教)
中筋祐太(岐阜・大垣日大高教)
中野大樹(山梨学院大)
相内寿(専大)
桜井浩二(拓大)


 【84kg級】

 全日本王者の松本真也(日大=右写真)と同2位の磯川孝生(拓大)は同期のライバルで、勝ったり負けたりを繰り返している。5月の東日本学生リーグ戦での対戦は磯川がが勝っている。ここに、昨年の世界選手権で2人を破って日本代表になった山本悟(岡山・烏城高教)を加えた3選手が横一線で並んでいる状況だろう。

 4月のアジア選手権出場で経験を積んだ鈴木豊(自衛隊)、JOC杯ジュニアオリンピックで2連覇を達成し、東日本学生リーグ戦で日体大の優勝を支えたた若い門間順輝(日体大)らが3選手の闘いに割って入れるか。

 《出場選手》

松本真也(日大)
磯川孝生(拓大)
鈴木  豊(自衛隊)
山本  悟(岡山・鳥城高教)
門間順輝(日体大)
青木修也(青山学院大)
小椋康士郎(山梨学院大)
伊藤拓也(早大)


 【96kg級】

 3年連続全日本王者の小平清貴(警視庁=右写真)を、全日本2位に米山祥嗣(K−POWERS)が追う。昨年のJOC杯ジュニアオリンピック優勝の下中隆広(国士大)、今年優勝の浅見哲郎(早大)ら学生選手の台頭はあるか。

 《出場選手》

小平清貴(警視庁)
米山祥嗣(K-POWERS)
東  誠次(立命館大)
木暮僚太(山梨学院大)
浜田圭介(中大)
花田眞秀(和歌山県立武道館)
下中隆広(国士大)
浅見哲郎(早大)


 【120kg級】

 5年連続全日本王者の田中章仁(FEG)は負傷の治療のため欠場。2年連続全日本2位の荒木田進謙(専大)、全日本学生王者の北村克哉(専大)らが世界へのキップをかけて闘う。

 《出場選手》

荒木田進謙(専大)
北村克哉(専大)
西田耕一朗(福井県協会)
秋山智史(山梨学院大)
桜井紀宏(日体大)
林努(日本文理大)




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