明治乳業杯全日本選抜選手権 展望(グレコローマン)【2006年5月29日】






 明治乳業杯全日本選抜選手権(男子のみ=6月3〜4日、東京・代々木第二体育館)のグレコローマンの各階級の見どころを探った。

 なお、大会日程は下記の通り。

 3日(土)=グレコローマン66・74・96・120kg級、フリースタイル84・96・120kg級

 4日(日)=グレコローマン55・60・84kg級、フリースタイル55・60・66・74kg級


 ◎グレコローマン
 
 【55kg級】

 アテネ五輪代表であり全日本王者の豊田雅俊(警視庁
=右写真)と04年全日本王者の平井進悟(ALSOK綜合警備保障)の争いが続きそう。豊田は3月の「ポーランド・オープン」で銅メダルを獲得するなど、この冬も好調。

 全日本学生王者の長谷川恒平(青山学院大)は2月の「デーブ・シュルツ杯国際大会」(米国)で銀メダルを獲得し、全日本チームの欧州遠征に抜てきされた。成長を示したい。全日本大学王者の倉本一真(拓大)はJOC杯ジュニアオリンピック3連覇と好調だが、東日本学生リーグ戦では減量苦の問題が露呈された。この壁をはね返せるか。

 《出場選手》

豊田雅俊(警視庁)
平井進悟(ALSOK綜合警備保障)
村上文清(自衛隊)
村田知也(滋賀・日野高教)
禎卓  也(自衛隊)
平尾清晴(日体大)
倉本一真(拓 大)
長谷川恒平(青山学院大)


 【60kg級】

 アテネ五輪5位の笹本睦(ALSOK綜合警備保障=右写真)が大きくリードしている。3月の「ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)で銅メダルを取るなど好調。4月は約1か月間、ドイツとハンガリーに武者修行に行っており、その成果を存分に発揮したい。

 全日本2位の北岡秀王(日体大)は4月のアジア選手権(カザフスタン)でろっ骨を負傷した。その回復具合はどうか。その間隙をぬって学生二冠王の松本隆太郎(日体大)が上位を狙いたい。

 《出場選手》

笹本  睦(ALSOK綜合警備保障)
北岡秀王(日体大)
下村  博(自衛隊)
岩崎健太(専 大)
武田佑基(日体大)
松本隆太郎(日体大)
伊藤  光(岡山県協会)
川向  寛(拓 大)


 【66kg級】

 5年連続全日本王者の飯室雅規(自衛隊=右写真)に、04・05年に2年連続学生二冠王に輝き全日本2位の江藤紀友(自衛隊)、同3位の綾田慎也(自衛隊)、藤村義(自衛隊)が挑む。ふだん練習している自衛隊勢による争いになりそう。

 JOC杯ジュニアオリンピックを制した成瀬一彦(日体大)ら学生勢が4選手のが城を崩せるか。

 《出場選手》

飯室雅規(自衛隊)
江藤紀友(自衛隊)
綾田慎也(自衛隊)
藤村  義(自衛隊)
成瀬一彦(日体大)
村瀬洸介(拓 大)
清水博之(自衛隊)
松本大輝(徳山大)


 【74kg級】

 昨年の世界選手権代表であり全日本王者の岩崎裕樹(銀水荘)は負傷治療のため欠場。全日本2位の菅太一(警視庁)と04年全日本王者の鶴巻宰(国士大)との争いになりそう。昨年の全日本選手権準決勝では菅の手が上がったが、鶴巻は3月のゴールデングランプリ大会「ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)で銅メダルを取るなど力を見せている。予断を許さない闘いになりそう。
 
 《出場選手》

菅  太一(警視庁)
川向敦支(自衛隊)
鶴巻  宰(国士大)
小川明彦(自衛隊)
倉谷修平(日体大)
根津隆夫(早 大)
田中悠一(日体大)
小田貴久(専大ク)


 【84kg級】

 アテネ五輪7位の松本慎吾(一宮運輸=右写真)の独壇場になりそう。3月の「ポーランド・オープン」では久しぶりに国際大会の優勝を経験。強さを見せてくれそう。4月にアジア選手権(カザフスタン)を経験した小向忍(自衛隊)らがどこまで意地を見せられるか。

 《出場選手》

松本慎吾(一宮運輸)
小向  忍(自衛隊)
太田充洋(大分・佐伯養護学教)
小野寺拓(大東大)
黒川  渉(滋賀・栗東高)
小林大佑(青山学院大)
村上彰一(中京学院大)
矢野将章(専 大)


 【96kg級】

 ここ数年、全日本王者と世界選手権などの日本代表を争ってきた加藤賢三(自衛隊=右写真)と森角裕介(長野・蓼科高教)の間に、学生二冠王の山口竜志(拓大)が割り込んできた状態。ほかに、04年に84kg級で1年生の学生王者に輝いた斎川哲克(日体大)がこの階級にエントリーした。どこまで通用するか未知数だが、混戦模様となってきたことは確か。

 山口、斎川による世代交代が実現するか。

 《出場選手》

加藤賢三(自衛隊)
森角裕介(長野・蓼科高教)
森  保弘(朝明ク)
山口竜志(拓 大)
小笠原寛(青山学院大)
曽我部健(国士舘ク)
斎川哲克(日体大)
山本雄資(山梨学院大)


 【120kg級】

 全日本王者に返り咲いた鈴木克彰(警視庁=右写真)、04年全日本王者の新庄寛和(自衛隊)、昨年の世界選手権に出場した沢田直樹(徳山大職)ら日本代表の経験者に、昨年の学生二冠王の社藤哲也(兵庫県協会)、JOC杯ジュニアオリンピック優勝の安田伊織(早大)らが実力をつけている。新顔の台頭があるか。

 《出場選手》

鈴木克彰(警視庁)
新庄寛和(自衛隊)
沢田直樹(徳山大職)
社藤哲也(兵庫県協会)
中村淳志(拓 大)
高橋信一(日 大)
竹内勝信(国士大)
安田伊織(早 大)




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