女子59kg級世界選手権代表決定プレーオフ展望【2006年5月31日】





 明治乳業杯全日本選抜選手権(東京・代々木第二体育館)最終日に、女子でただ1階級未定だった59kg級の世界選手権代表を決めるプレーオフが行なわれ、昨年12月の天皇杯全日本選手権優勝の山本聖子(ジャパンビバレッジ=写真左)と、今年3月のジャパンビバレッジクイーンズカップ2006優勝の正田絢子(ジャパンビバレッジ=写真右)が最後のイスを争う。

 ともにキッズレスリングの出身(山本は東京・日体パンサーズ、正田は大阪・吹田市民教室)。歳は山本が1歳上で、ほぼ同じ階級で闘ってきた。1992年の全日本女子オープントーナメントではキッズ5・6年の部決勝で顔を合わせ、その時は正田が勝利。94年同大会のジュニアの部E級決勝では山本がリベンジ、翌年のH級でも勝つなど、勝ったり負けたりを繰り返してきたライバル。

 その後は階級が違ったため闘うことはなく、99年の世界選手権では、山本が51kg級で、正田が62kg級でともに初出場初優勝を果たすなど、違う階級のライバルとして競ってきた。2005年に正田が59kg級へ落としたことで、再び闘うことになり、その後の対戦成績は正田が2勝1敗と勝ち越している。

【ジャパンクイーンズカップ2005】 正田絢子○ [ 2−0(3-0,1-0) ] ●山本聖子
【2005年天皇杯全日本選手権】 正田絢子● [0−2(0-3,1-@Last)] ○山本聖子
【ジャパンビバレッジクイーンズカップ2006】 正田絢子○ [2−0(0-3=2:03,1-0,3-2)] ●山本聖子

 ともにアテネ五輪の出場を逃し、再起して北京五輪への出場を目指すなど境遇も似ているが、昨年世界選手権の代表になった正田がいち早く世界チャンピオンへ返り咲いた。しかし、ことし4月のアジア選手権(カザフスタン)には、59kg級に出場した山本、63kg級に出場した正田ともに優勝するなど、甲乙つけがたい実力。1ポイントを争う展開となることは必至だ。

 日本協会の栄和人・女子ヘッドコーチ(中京女大職)は「実力が接近しているので、ポイントを取り合わないまま、クリンチ勝負ということもありうる。しかし、攻撃して勝ってほしい」と、攻撃レスリングによる決着を要望した。


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