【特集】昨年の世界大会の雪辱へ燃える…グレコ66kg級・飯室雅規【2006年6月4日】






 グレコローマン66kg級は、第一人者の飯室雅規(自衛隊)が決勝で全日本2位の江藤紀友(自衛隊)を、相手の負傷による途中棄権で下して5連覇を達成。元気のいい自衛隊勢が表彰台を独占した。

 手の内を知っている同僚との試合はやりにくいものなのだろう。飯室は準決勝で全日本3位の綾田慎也(自衛隊)と対戦。なかなかポイントを奪えないまま試合は第3ピリオドまで進み、最後は守り切って得たラストポイントで辛くも勝利した。

 決勝も得意のリフト技が決められない我慢の展開となった。結局、第2ピリオドに江藤が左脚を「バキッと音がした」(飯室)というほど負傷したため、最後まで戦わずに勝利が転がり込む形になった。

 これで世界選手権は5度目の挑戦。国内では他を寄せ付けない第一人者も、世界の大舞台では外国勢の厚い壁に跳ね返され続けている。特に悔しかったのは、飯室が「自分の実力を発揮できないまま終わった」と振り返る昨年の世界選手権。勝利を確信した2回戦で、クロス・ボディ・ロックの際の警告を3度受けて警告負け。悔やんでも悔やみきれない敗戦となった。

 だからこそ5度目にかける思いは強い。雪辱に燃える飯室は「課題はグラウンド。クリンチのタイミングを何とかして、そろそろ上位に入賞したい」と意気込みを口にした。

(取材・文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)


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