【特集】ゴールデンGP決勝大会へ向け闘志全開…グレコ60kg級・笹本睦【2006年6月5日】






 グレコローマン60kg級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)が2試合に勝ち、6連覇を達成するとともに、シドニー・アテネ両五輪を含めて7年連続での世界大会への出場を決めた。

 しかし、いつもの笹本らしからぬ内容。準決勝(初戦)の松本隆太郎(日体大)戦は第1ピリオドが1−1、第2ピリオドは2−2で、いずれもラストポイントによる勝利。決勝の岩崎健太(専大)戦は、このルールになって初めてピリオドを落とす苦しいスタート。第2ピリオドで確実にローリングを決め、第3ピリオドも地力を見せて勝ったが、ローリングが決まらなければ、どう転んだか分からず、ちょっぴりハラハラさせた試合だった。

 4月は約1か月、単独でドイツとハンガリーに修業に行った。その成果を見せることができず、やや照れ笑いを浮かべたが、今月下旬にはゴールデン・グランプリ決勝大会(アゼルバイジャン・バクー)への出場も決まっており、気持ちは乗っている。「3月のGP予選では、ルーマニア(エウセビウ・ディアコヌ)から1ピリオドも取れなかった。もっと強化したい。どうせなら、最初からルーマニアやナザリアン(ブルガリア=昨年の世界チャンピオンで笹本のライバル)と闘いたい」と闘志は全開。

 髪がやや長くなったのは、「切る時間がなかったから」という理由だけで特別な意味はないとのことだが、野性味が増したと感じる人は1人や2人ではない。今年は何かをやってくれそうな気がする28歳。まずゴールデン・グランプリ決勝大会での健闘が期待される。

(取材・文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)


《前ページへ戻る》