浜口京子選手が大関琴欧州と対面、相撲パワーを吸収【2006年6月20日】





 女子72kg級の浜口京子選手(ジャパンビバレッジ)が6月19日、ベースボール・マガジン社が8月中旬に刊行するレスリング技術書「レスリング入門」(監修=佐藤満・専大コーチ)の巻頭対談で、父のアニマル浜口さんとともに大相撲の大関琴欧州の所属する佐渡ヶ嶽部屋を訪問。関脇琴光喜ら関取同士の迫力ある朝げいこを見学したのち、ブルガリア時代にレスリングの強豪だった琴欧州から重量級レスリングの極意や気分転換の方法などを学んだ(右写真)

 ブルガリア生まれの琴欧州関は、中学時代からレスリングを始め、16歳でジュニアのブルガリア代表になったほどの強豪。しかし身長204cmで体重が140kgを超え、2001年に最重量級が130kgから120kgに下げられたのを機に、遊びでやっていて面白くなった相撲に転向。日本にスカウトされ、2002年11月に初土俵。以後、すべての場所に勝ち越して昨年11月、欧州出身力士として初めて大関へ昇進した。

 大相撲の世界で出世したとはいえ、今でもレスリングのことは気になっているそうで、レスリング時代の友人と頻繁にメール交換して情報を収集。浜口選手がアテネ五輪などで闘ったスタンカ・ズラテバ・フリストバ(ブルガリア)の名前を知っているなど、知識はかなりのもの。アニマル浜口さんの「気合」も知っていて、「レスリングのことは気になります」と言う。

 対談のあとは、レスリング談義が高じて浜口選手に技術指導。タックルのやり方などを熱を入れて教え、「レスリングやりたくなったね」とにっこり。「男子の全日本チームの練習に来てください」という言葉に、「この足(推定35cm)に入るシューズがないです。自分のレスリングシューズはブルガリアです」と笑ったが、まんざらでもない様子だった。

 かねて相撲のけいこを見たいと思っていた浜口選手は「激しいぶつかりあいなど、参考になることが多かった。気をもらいました」と満足そう。先月のワールドカップではつまずいたものの、世界一奪還へ向けて大きなヒントとエネルギーを得た様子だった。

 なお、「レスリング入門」は、ソウル五輪金メダリストの佐藤満・専大コーチがフリースタイル、95年世界2位の嘉戸洋・日本協会専任コーチがグレコローマン、90・91年世界チャンピオンの成国(旧姓飯島)晶子・ゴールドキッズ代表がキッズの部を担当するレスリングの技術書。レスリングの技術書が発刊されるのは、約16年ぶり。(正式な出版日などが決まりましたら
、本HPでもお知らせします)

朝げいこを見学する浜口親子。“重量級”のぶつかり合いを熱心に見ていた。 中央は先代の佐渡ヶ嶽親方(元横綱琴桜)。
対談の最後は浴衣を脱いで技術指導



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