女子アジア大会代表チームが直前合宿をスタート【2006年11月19日】



 アジア大会(レスリング競技=2月9〜11・13〜14日、カタール・ドーハ)の女子の日本代表選手を含めた全日本チームが11月17日から東京・スポーツ科学センター(JISS)で直前合宿をスタート。18日、報道陣に練習を公開した。

 4人の代表選手はいずれも元気いっぱいに練習。開会式の旗手という大役を請け負った55kg級の吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)は、数字前にかぜをひいて声がよく出ない状態だったが、熱があるわけでもなく練習には影響なし。パワーのある外国選手対策として72kg級の村島文子選手(中京女大ク)とも練習し、「ここで大きな選手と練習しておけば、試合では軽く感じる。無失点での優勝が目標」と気合を入れた。開会式では「日本選手団を引っ張るように、胸を張って歩きたい」と力をこめた。

 世界選手権で鼻を骨折し、出場辞退も考えられた72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)は、順調に回復し、「100%ではないが、大会までにはそうもっていきたい」と元気いっぱい。「(世界選手権は)負けは負けです。実力です。来年へつなげるためにも、ここでくじけたくなかった。棄権はしたくなかった」と力をこめ、鼻の負傷に対する恐怖心を問われると「2002年にもワールドカップで鼻を骨折し、その状態で世界選手権へ出て勝った。その経験があるので大丈夫です」と、不安を払しょくしている。

 姉妹での優勝を目指す伊調姉妹も、「背中を痛めて20%の仕上がりだけど、こうしたときの方がいい結果が出ている。世界選手権の優勝が、変な余裕になってはダメ。アテネ五輪で金メダルを逃した悔しい気持ちを忘れずに臨む」(48kg級・千春)、「4年前のアジア大会は苦い思い出があるけど、私の原点となった大会。ぜひ優勝したい」(63kg級・馨)と、抱負を話した。

 栄和人監督(中京女大職)は「4階級で金メダルはもちろん、全階級とも無失点での優勝が目標」と、完全優勝の目標を掲げ、自信を見せた。

 合宿は21日まで。なお、合宿にはタイとフィリピンのチームが参加した。


 48kg級・伊調千春(ALSOK綜合警備保障)「疲労が原因と思われますが、2日前に背中を痛め、20%での仕上がり。でも調子がいい時はたいがい結果が出ていない。こうした状態の方が、1日1日を大切にするのでいい結果が出ています。大橋(正教)監督から最初の30秒とラスト30秒でポイントを取れる練習を指示されていて、それに全力で取り組んでいます。悔しさを忘れないために、アテネ五輪の銀メダルを多く見ています」

 
55kg級・吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)「体重が57kgを超えました。練習が終わっても55kgを切ることはなく、調子がいいです。アジア大会の目標は無失点での優勝。タックルに入って頭が下がるくせを直したい。アジア大会はオリンピックのアジア版だと思っています。選手村に入ったりして、緊張感は世界選手権以上です。開会式の旗手をすることを含め、すべてをプラスに考えたい」

 
63kg級・伊調馨(中京女大)「4年前のアジア大会は決勝で負け、苦い思い出ですが、初の国際大会であり、原点でもある大会です。今回は絶対に優勝します。世界選手権で、その時に負けた許海燕(シュ・ハイヤン)にリベンジしましたが、トラウマがあって、腰が引けていたんですよ。恐怖心を感じてしまい、自分じゃなかってです。中国は誰が出てくるか分かりませんが、ここで負けてしまうと、その選手が北京五輪に出てくるでしょう。負けるわけにはいきません」

 
72kg級・浜口京子(ジャパンビバレッジ)「鼻の手術をして、1週間は話すこともできない状況でした。自分の顔じゃなくなるような気がして心配でした。でも、多くの人から励ましを受け、立ち直ることができました。レスリングの練習ができることに幸せを感じます。2002年にも鼻を骨折した状態で世界選手権に出ていますので、恐怖心とかはありません。アテネ五輪で負けた王旭(中国)が出てくると思いますが、どんな攻撃をしてきても、どんなふうに守られても、絶対に大丈夫というレスリングをやります。今は北京五輪のことは考えていません。目の前の大会に全力を尽くします」



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