【特集】1勝を挙げた“前進”では満足できず…男子グレコローマン74kg級・菅太一【2006年12月10日】






 2001年にアジア王者に輝いたことのある74kg級の菅太一(警視庁)は、1回戦のインド戦で豪快な俵返しを2度決める幸先いいスタートだったが、続く2回戦で02年アジア王者のダニアール・コボノフ(キルギスタン)に屈した。

 コボノフとの一戦は、第1、2ピリオドともにスタンド戦が0−0で終わり、グラウンド攻防の勝負へ。第1ピリオド、コイントスで負けた菅は、俵返しを逆の方向に返されて第1ピリオドを取られると、第2ピリオドの防御は、「逆に転がされることを考えすぎた」として持ち上げられてしまい、5点を失う俵返し
(右写真)。自らの攻撃をすることもできずにマットを去り、約30分後、敗者復活戦へ回る望みも消えた。

 相手が前アジア王者であっても、萎縮することはなかったという。敗因を問われると、「神頼みが足りませんでした。(2試合で)4度のコイントス、すべて負けてしまいましたから」と即答。もちろん冗談だが、防御の守りに課題を残し、「練習をもっとやります。練習不足だったということではありません。考えた練習をします」と、最初にグラウンドの防御となっても勝てるだけの実力の養成を誓った。

 今年は4月のアジア選手権と、8月のピトラシンスキ国際大会(ポーランド)でいずれも1戦1敗。しかし9月の世界選手権と今回、それぞれ1勝を挙げ、何がしかの前進ができた年だった。しかし「1勝を挙げることを目標にやっているわけではない」と、この程度の“前進”で満足できるはずもない。

 「まず来年1月の全日本選手権です」。再び世界に挑戦するには、まず国内の大会に勝たなければならない。全日本選手権へ向け、休む間もなく闘いが再スタートする。


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