【特集】豪快な3点タックル爆発も、後半は不完全燃焼…男子フリースタイル84kg級・松本真也【2006年12月15日】







 比較的組み合わせに恵まれ、1、2回戦とも豪快な3点タックルを見せるなどして(右写真=1回戦)準決勝まで勝ち上がった男子フリースタイル84kg級の松本真也(日大)は、準決勝で今年世界3位のレザ・ヤズダニ(イラン)に0−2で敗れ、3位決定戦でも昨年世界3位のマゴメド・クルグリエフ(カザフスタン)に0−2で黒星。

 9月の世界選手権で10位に入賞したものの、世界トップ選手との差は大きく、もう一段の成長がなければメダル圏内には入れない現実を知った。

 「自分のレスリングをさせてもらえなかった。手も足も出なかった」。3位決定戦で負けた後、その試合について、そう振り返ったが、準決勝でこの大会の覇者となったヤズダニに対しても同じことだろう。「見事にはまってしまいましたね」と、5点タックルを受けてしまった試合を振り返った。

 世界選手権で右足首を痛め、その後、練習らしい練習ができなかったという事情がある。今回は痛み止めの薬を飲み、シューズをぶかぶかにするなど足首にできるだけ力が入らないようにして臨んだという。

 思い切って練習を休みたかったが、アジア大会のことを考えると、そうもいかなかった。結局、それが回復を遅くしてしまった。しかし、体調が万全でなくとも、モンゴル代表を含めて2試合に快勝できたのだから、この部分は「自信になります」と言う。

 帰国して4日後には全日本大学選手権(21〜22日、東京・駒沢体育館)があり、日大の主将として必勝を期して出場する予定。その1ヵ月後には全日本選手権。国内では、磯川孝生(拓大)というライバルが控えており、8月の全日本学生選手権で負けたリベンジをしなければならない。

 休む間なく闘いが続き、けがの回復具合も心配だが、誰もができることではなく、強い選手だけが経験できる試練。世界10位、そしてこうした大舞台で闘えた経験を2007年の闘いに生かしたい。


《iモード=前ページへ戻る》

《前ページへ戻る》