笹本睦(ALSOK綜合警備保障)と鶴巻宰(国士大)が銅メダル…アジア選手権第2日




 アジア選手権第2日は5月24日、中国・武漢で男子グレコローマン3階級が行なわれ、60kg級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)と74kg級の鶴巻宰(国士大)の2選手が銅メダルを獲得した。

 笹本は初戦で右ろっ骨を負傷し、棄権も考えられたが準決勝まで進出。Ali Ashkani(イラン)に敗れて3位決定戦へ。そこで2002年アジア大会王者のKan Kyung Il(韓国)と対戦し、本来なら戦う必要のない最後の30秒を戦った末に勝ち、銅メダルを獲得した。

 鶴巻は3位決定戦でMjtaba Babajanzadh(イラン)と対戦。第3ピリオドにパーテールポジションの攻撃からフォールを奪い、銅メダルを取った。

 96kg級の森角裕介(長野・蓼科高教)は初戦で敗れ、敗者復活戦へまわれなかった。

 各選手の成績は下記の通り。この日でグレコローマンが終了。日本は金メダルこそなかったが、銀2個、銅3個を取った。グレコローマンのアジア選手権・大会でメダル5個を取ったのは、10階級だった1996年大会で5個を取って以来。


 【60kg級】笹本睦(ALSOK綜合警備保障)   3位=10選手出場

予備戦 ○[2−1(2-ALast,4-2,8-0=0:55] IMAMOV BAKHODRI(ウズベキスタン)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで笹本の攻撃。がぶり返しを決めて2−0としたが、防御にまわって低いリフトを決められ2−2。ラストポイントでウズベキスタンの勝ち。

 【2P】0−0のあと、コイントスで笹本の攻撃。リフトは決め切れなかったが、すぐにがぶり返しを決めて2−0。防御側にまわった笹本は、相手のリフト狙いにうまく体を預けて2点を加えた(4−2)。

 【3P】ばてた相手に対し、笹本は2度、脇をさ差して場外に押し出す(2−0)。さらに押し倒して1点(3−0)。パーテールポジションの攻撃となった笹本は、5点のリフトを決めて決着をつけた。

1回戦 ○[警告2P2:00(8-2=2:00,5-0)] XIE ZHEN(中国)

 《試合経過》
 【1P】開始45秒に笹本が一本背負いで3点を獲得。パーテールポジションの攻撃となり、ローリングで2点を取ったが、このあともつれて両者に2点が入った(7−2)。防御側にまわった笹本は30秒間、相手の攻撃をしのぎ、相手に警告を与えて1点を取った(8−2)。

 【2P】笹本が巻投げで2点獲得。このとき相手に何らかの警告が与えられて3−0。パーテールポジションの攻撃となり、ローリングで1点。防御側にまわって30秒間しのぎ、相手に通算3度目の警告を与えた(5−0)。

準決勝 ●[0−2(1-3,1-4)] ALI ASHKANI(イラン)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで笹本の攻撃。しっかりと持ち上げたが、落とし方を失敗し場外へ出した1点のみ。防御側にまわった笹本は、俵返しを受けてしまい3点を失った(1−3)。

 【2P】0−0のあと、コイントスでイランの攻撃。俵返しは1点に押さえたが、続けてニアフォールを奪われ、バックを取り返したものの1−3。攻撃側にまわった笹本だが、30秒間で無得点。警告を受けて相手に1点が入った(1−4)。

3位決定戦 ○[2−1(@last-1,1-@last, 2-1] KANG KYUNG IL(韓国)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで笹本の攻撃。俵返しを狙ったがバックを取られてしまった(0−1)。笹本は防御側にまわって30秒間耐え、相手に警告を与えて1点を取った。1−1のラストポイントによって

 【2P】0−0のあと、コイントスで韓国の攻撃。笹本は30秒間耐え、相手に警告を与えて1点を獲得(1−0)。攻撃側にまわった笹本も得点がなく、警告を取られて相手に1点をやってしまった。1−1のラストポイントによって韓国が勝った。

 【3P】0−0のあと、コイントスで韓国の攻撃。俵返しを狙ってきたところを笹本がうまく押さえ込み2点を獲得(2−0)。防御側にまわった笹本は、ラスト4秒で技術回避の警告を取られ、韓国が1点(2−1)。そのままのスコアで試合が終了した。

 
(注)第2ピリオド終了時点で、韓国が警告2度、笹本が警告1度を取られています。第3ピリオド、韓国の攻撃権でスタートし、防御側の笹本はポイントは取りましたが、韓国はポイントを取っていません。従って、この段階で笹本の警告勝ちとなりますが、審判団はそのまま、笹本の攻撃に移り試合を続けました。


 【74kg級】鶴巻宰(国士大)   3位=10選手出場

1回戦 ○[警告2P2:00(3-0,1-0)] CHAE KYONG JUN(北朝鮮)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで鶴巻の攻撃。北朝鮮はフライングで2度の注意を受けて警告(2−0)。防御側にまわった鶴巻は、30秒間攻撃をしのぎ、相手に警告を与えて1点を取った(3−0)。

 【2P】0−0のあと、コイントスで鶴巻の攻撃。背後にまわってローリングを決めて1−0。防御側にまわった鶴巻は30秒間しのぎ、相手に通算3度目の警告を与えたた(2−0)。

準決勝 ●[0−2(0-2,2-5)] KOBONOR DQNIQX(キルギスタン)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスでキルギスタンの攻撃。鶴巻は俵返しをしのいだが1点を失い、右肩を強打。それでも試合を続行し、攻撃側にまわってリフトを狙ったが、逆にバックを取られて0−2。

 【2P】0−0のあと、コイントスでキルギスタンの攻撃。俵返しを受けたが反撃もして2−3。攻撃側にまわった鶴巻は俵返しを狙ったが、逆に返されてニアフォールを奪われた(2−5)

3位決定戦 ○[フォール3P1:43(Abig-2,0-3,4-0)] MJTABA BABAJANZADH(イラン)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスでイランの攻撃。鶴巻はローリングで1点を取られたものの、うまく乗って2−1へ。攻撃側にまわった鶴巻は30秒間でポイントを取れず、相手に1点を与えてしまって2−2となったが、ビッグポイントによってこのピリオドを取った。

 【2P】0−0のあと、コイントスで鶴巻の攻撃。30秒間でポイントを取れず、警告を受けてイランに1点。相手の攻撃になり、鶴巻はローリングを受けて0−3とされてしまった・

 【3P】0−0のあと、コイントスでイランの攻撃。鶴巻は30秒間守り、相手に警告を与えて1点を獲得。鶴巻の攻撃となり、リフトにいった鶴巻はそのままマットにたたき落として押さえ込み、フォールを決めた。


 【96kg級】森角裕介(長野・蓼科高教)    9選手出場

1回戦 ●[0−3(1-@Last,0-4)] HAN TAE YOUNG(韓国)

 《試合経過》
 【1P】0−0のあと、コイントスで韓国の攻撃。30秒間ポイントが取れず、森角が1点を獲得。しかし森角も30秒間でポイントが取れず、1−1となってラストポイントで韓国の勝ち。
 【2P】0−0のあと、コイントスで森角の攻撃。30秒間ポイントが取れず、韓国が1点を獲得。防御側にまわった森角は、相手のリフト狙いに立ち上がったが、背中からマットに落とされて3点を失った(0−4)。




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