【特集】銀メダル獲得の殊勲。さらに上を目指す意欲も十分…フリー84kg級・磯川孝生



 1回戦  ○[2−0(3-0,3-0)] ANUJ KUMAR(インド)
 準決勝 ○[2−0(2-1,3-0)] G.CHAGNAADORJ(モンゴル)
 決 勝  ●[0−2(1-2,0-2)] SAEED EBRAHIMI(イラン)

 「銀メダルに満足はしていませんが、持てる力をすべて出しました」と、フリースタイル84kg級の磯川孝生(拓大)。金メダルの殊勲はならなかったものの、国際大会で初のメダル獲得、チーム最年少にして最高の成績を残せたことは評価に値するだろう。

 1回戦、準決勝は一本背負いやタックル、アンクルホールドと決めることができ、「勝つことができたので」と、まずは満足。決勝はスコアこそ0−2だったが、「攻めることができ、自分でできる以上のものは出せた。弱気になることなく最後まで攻める気持ちを持てた」と振り返った。

それを勝利に結びつけることができなかったのは、相手のふところに飛び込み切ることができなかったから。パワーで差を感じたわけでもなく、「しっかりと攻め込む練習が必要」と、飛躍へつなげる課題も見つかった。収穫の大きかったアジア選手権だったようだ。

 東日本学生リーグ戦から続いた大会。「肉体的には大変でしたが、リーグ戦が終わってすぐに気持ちを切り替えることができた。リーグ戦で優勝できて、この大会でもいい成績。何かあるんですかね」と、自らの上昇ムードに思わず笑みがこぼれる。

 3月のユニバーシアード予選でも勝っており、拓大優勝、アジア銀メダルと続いて、この春から絶好調のようだが、「国内で勝っても満足はできない。世界へ目を向けています。世界を目標に練習を続けたいです」ときっぱり。世界選手権代表をかけた6月22〜23日の明治乳業杯全日本選手権は「通過点です。上(世界)を見つめていますから」と、世界でのメダル獲得に照準を合わせて燃えていた。

(取材・文=樋口郁夫)




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