【特集】3年連続メダル獲得の基盤をもって世界へ再挑戦…フリー66kg級・池松和彦



 予備戦 ○[フォール2P1:10(6-0=1:51,3-0=1:10)] Y.U.URMAT(キルギスタン)
 1回戦  ○[2−0(2-0,6-0=? )] KIM IN CHOL(北朝鮮)
 準決勝 ●[フォール2P2:00(0-1=2:22,5-2=2:00)] BAEK JIN KUK(韓国)
 3決戦  ○[2−1(0-3,4-1,3-1)] B.BUYANJAV(モンゴル)

 デフェンディング・チャンピオンとしてアジア選手権に臨んだフリースタイル66kg級の池松和彦(K−POWRES)は、準決勝でアテネ五輪で勝った韓国選手にリベンジされて決勝進出を逃し、3位に終わった。「反省することが多かった。技が中途半ぱでまとまりがなかった。欠点がすべて出た」と、不満いっぱいの銅メダル。

 3位決定戦のモンゴル戦
(写真右)では、第2ピリオドにあと15秒を流せばよかったのに、フォールを狙って失敗し、あわや逆転負けというピンチも迎えた。ビデオチェックの結果、池松にポイントが入って助かったが、「負けたと思った。(セコンドの)無理するなという声は聞こえていたけど、フォールできると思ったので…。焦ったのかな」と、最後も納得のいかない試合だった。

 原因は、けがもあって「練習不足」を挙げた。韓国選手にリベンジされたことには、「もともと、そんなに実力差はなかった相手。仕方ない。目標は優勝だったけど…。実力で負けたんだな、という感じです」と、自らの力を再認識したといったところ。

 しかし、アジア選手権を3年連続でメダルを取ったことは事実で、世界でメダルを取る基盤ができていることは間違いない。「少し甘く考えていたところがあった。この負けで気を引き締められる。世界選手権までにいい練習をやりたい」と、反省すべき点を反省。今月からK−POWERSの契約社員となり、支援を受けることになって恩を返さねばならない“義務”もできた。「世界選手権までにしっかり練習したい」と再起をきっぱり宣言−。

(取材・文=樋口郁夫)




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