【特集】完全優勝にも反省を忘れず…51kg級・坂本日登美


 予備戦 ○[フォール1P1:15(7-0)] LIU RUI(中国) 
 1回戦  ○[フォール2P0:36(TF7-0=1:49,4-0=0:36)] PARK JI YOUNG(韓国)
 準決勝 ○[2−0(5-0,4-3)] ENKHJARGAL TSOGTBAZAR(モンゴル)
 決  勝 ○[2−0(TF6-0=1:04,TF7-1=1:50)] MIRZAEVA DINAKA(ウズベキスタン)

 世界チャンピオン復帰を目指す51kg級の坂本日登美(自衛隊)が4試合に快勝し、5年ぶりにアジア・チャンピオンに返り咲いた。

 前日、妹の真喜子(48kg級)が決勝で中国選手に敗れていた。坂本は中国選手が初戦の相手で、これを第1ピリオドにフォールであっさりと退けると、残る3試合も1ピリオドも失わずに快勝。準決勝のモンゴル戦の第2ピリオドに、ちょっとしたすきを見せてしまい背中からマットに落ちて3点を失ったが、ラスト10秒までに逆転。全体として見ると危なげない試合の連続での優勝だった。

 しかし坂本は、この3点を含めて2度ポイントを奪われた(もう1度は決勝のウズベキスタン戦)ことに不満顔。「なぜ奪われたのか研究し、(世界選手権代表決定の)プレーオフ=6月23日、対伊調千春=までに克服したい」と反省した。それでも、マスター中のアンクルホールドがよく決まり、崩しなどもできたので、「クイーンズカップで負けてから練習してきたことができつつあります」と、自信もついた様子。

 「北京五輪へ向けて中国が強敵になるとは思います」と警戒していた中で、初戦でその中国に圧勝したことで気分が乗った様子。「(敵地で戦う)プレッシャーの中で戦うことを含め、いい経験になりました」と、5年ぶりのアジア・チャンピオンを振り返った。

 ワールドカップでは出場の機会がなく、伊調千春が世界の強豪と戦う試合をじっくりと視察した。今回は逆に伊調から見られ、研究されているわけだが、「ライバルから見られているという緊張感の中で戦うことも貴重な経験」と気にするふうでもなく、このあとは伊調との真っ向勝負に挑む。

(取材・文=樋口郁夫)




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