関節技・絞め技のあるレスリング「パンクラチオン」導入へ




 日本協会は6月3日、福田富昭会長、高田裕司専務理事、木口宣昭総合格闘技委員長ほか出席のうえで総合格闘技委員会を開催し、国際レスリング連盟(FILA)の意向を受け、レスリングの新たなスタイルとして関節技・絞め技のある「パンクラチオン」の導入を決定した。正式にFILAの認定を受ければ、グレコローマン(男子)、フリースタイル(男子)、女子レスリング、ビーチレスリングに続くレスリング・スタイルになる。

 具体的なルールは今後、検討していく。木口委員長が11年前に立ち上げた「コンバットレスリング」に似た形になると思われるが、木口委員長は階級やシューズ、道着など違うところもあり、コンバットレスリングはコンバットレスリングで存続させていくという。日本協会としては数年後に日本で第1回の世界選手権をやる希望をもっており、それに先立つ全日本選手権の開催も視野にいれている。いずれ五輪種目入りを目指す。

 パンクラチオンは、日本の福田富昭会長がレスリングをよりスリリングな格闘技となり、発展させるための新たなスタイルとして提案。2000年シドニー五輪の最中に、99年2月に日本で行なわれた前田日明とアレクサンダー・カレリン(ロシア)の試合ビデオを持参し、FILA理事に対してこの試合が2万人もの観客を熱狂させたことを説明し、導入を呼びかけたことに始まる。

 昨年の大みそかには、FILAのラファエル・マルティニティ会長を招待し、PRIDEを観戦させ、理解を求めた。この提案を受け入れたFILAは、PRIDEやUFCなどの総合格闘技が隆盛している現状から、それらのアマチュア版の格闘技の確立を目指していた。「パンクラチオン」とは、古代オリンピックで実施されていたレスリングとボクシングを合わせた格闘技の名称で、現在のバーリトゥード(総合格闘技)の古代版。


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