男子フリースタイル全日本チームがポーランドから帰国




 ポーランドへ合宿と大会(ジオルコウスキ国際大会)参加のために遠征していた男子フリースタイルの世界選手権代表3選手が8月16日、スイス経由で帰国した(⇒大会の詳細は、ここをクリック)。

 和田貴広ヘッドコーチ(日本協会専任コーチ)は「合宿はポーランド、日本、スペインだけの参加で、途中からユニバーシアードと世界軍隊選手権に出場する選手が抜け、やや物足りなかったが、大会はロシア、ウクライナ、アゼルバイジャン、イランなど20か国から多くのトップ選手が参加。非常にレベルの高い大会となり、世界選手権前の実戦練習として最高の形となった」と総括。その中で55kg級の松永共広(ALSOK綜合警備保障)が優勝し、74kg級の小幡邦彦(同)が銅メダルを獲得するなど、日本選手の実力アップを十分に感じたようだ。

 松永は初戦で五輪V2王者のナミク・アブデュラエフ(アゼルバイジャン)を破り、決勝で今年の欧州王者ゲンナディ・チュルビア(モルドバ)を破っての殊勲の金メダル。和田コーチは決勝戦の第3ピリオドに0−4の劣勢をはね返したことを「今のルールで4点差をはね返すのは厳しい。タックルや瞬間的な身のこなしに長けているて、ビッグポイントを取る能力が身についた」と高評価。試合での落ち着きも出てきており、世界選手権へ向けて期待感を高めたようだ。
(写真右は、左から小幡、松永、山本)

 もっとも、遠征中にあったユニバーシアードで、世界選手権代表でもある66kg級の池松和彦(K−POWERS)、120kg級の田中章仁(FEG)の成績が芳しくなかったことが気にかかった様子。報告を受けたりビデオを見たりして、「早急に対策を立てたい」という。

 それでも、負けた選手を含めて「ここで国際大会を経験できたのはよかった。明治乳業杯のあと試合をせずに世界選手権に臨むよりは、絶対にプラスがあった」と振り返り、今回の経験を世界選手権に役立てたいと結んだ。

 男子フリースタイルは8月23日から東京・国立スポーツ科学センターで合宿に入る。


 55kg級・松永共広の話「(五輪V2の)アブデュラエフや決勝で戦った欧州チャンピオン以外にも強い選手ばかり。非常にレベルの高い大会で、この中で優勝できたのは、冬の2大会(ヤシャドク国際大会、ダン・コロフ国際大会)で勝った時以上に自信になります。

 アブデュラエフはもう力を落としているのかもしれないけど、最初の瞬発力はすごく、まだまだあなどれません。第2ピリオドはクリンチで取られてしまいましたし。決勝の第3ピリオドは0−4とされてもあきらめることなく戦うことができました。リードされても逆転できる実力はついたと思います。
あと1か月半、ウェートトレーニングで筋力をつけ、持久力も伸ばして、技の最後の確認をしたい」


 74kg級・小幡邦彦の話「五輪チャンピオンや世界選手権の上位選手も出場し、とてもレベルの高い大会でした。その中で3位になれたのは自信になります。今年に入ってからの合宿での成果がしっかりと出たことを感じます。どんな技が自分に合うのか、少しずつですが分かってきました。世界選手権までにしっかりと確認したいです。

 (優勝したアテネ五輪王者の)サイキエフと戦いたかった。3年前に戦っているので、どれだけ実力が縮まったか確認したかった。準決勝で自分が接戦したウクライナ選手がけっこういい試合をしていたので、自分ともそう大きな差はないと思います。サイキエフの姿を見て、気持ちが盛り上がってきました」


 84kg級・山本悟の話「久しぶりの国際大会。フリーではこれまでアジア選手権しか出たことがなく、初めて欧州での大会を経験しました。やはり日本選手と外国選手はスタイルが違いますね。勉強することばかりでした。世界で勝てるためのレスリングを確立したいです。遠征に行った以上、勝たないと面白くないですね」




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