松永共広(ALSOK綜合警備保障)が02年世界王者を撃破…世界選手権第1日午前




 2005年世界選手権は9月26日、ハンガリー・ブダペストのブダペスト・スポーツ・アリーナ(写真右)で開幕。男子フリースタイル3階級が行なわれ、55kg級の松永共広(ALSOK綜合警備保障)が1回戦でフランシスコ・サンチェス(スペイン)に2−0で判定勝ち。2回戦では02年世界王者のレネ・モンテロ・ルイス(キューバ)に大苦戦したものの、第2・3ピリオドをともに終盤に逆転勝ちするという薄氷を踏む思いながら白星を挙げ、3回戦へ進出した。

 3回戦では、梁栽熏(ヤン・ヤエフーン=韓国)と対戦する。3回戦に進んだ8選手のうち、03年世界王者のディルショド・マンスロフ(ウズベキスタン)など5選手がアジアの選手となっている。

 66kg級のアテネ五輪5位の池松和彦(K-POWERS)は、世界選手権初出場となる李全(リ・クアン=中国)相手に手堅く白星スタート。2回戦でもデュシャン・バブルナク(スロバキア)を破って3回戦へ進出した。

 60kg級の湯元健一(日体大)は初戦でアテネ五輪王者のヤンドロ・キンタナ(キューバ)相手に粘ったものの、0−2で敗れた。キンタナの決勝進出に敗者復活戦行きを託す。

 各選手の成績は下記の通り。(撮影=矢吹建夫)


 ◎男子フリースタイル

 
【55kg級】松永共広(ALSOK綜合警備保障)   30選手出場

1回戦 ○[2−0(TF6-0=2:00,TF7-0=2:00)] Francisco Sanchez(スペイン)

 《試合経過》

 【1P】開始20秒、松永がバックを取り、腕を取ってフォールを狙うが、あと一歩で逃したが、場外へ押し出し4−0へ。タックルのカウンターで再度バックを取った松永は、終了間際にもタックルを決め、6−0とした。

 【2P】警戒する相手にやや攻めあぐんだ松永だが、タックルを決めて場外へ出して1点を先制。再びタックルを決め、トルコ刈りでニアフォールへ。5秒押さえ、いったん返して再びフォール狙い。フォールはならなかったものの、7−0のスコアのまま終了。

2回戦 ○[2−1(0-2,2-2Bing,5-4)] Rene Montero Luis(キューバ)

 《試合経過》

 【1P】序盤にタックルを受けて1点を先制された松永。中盤にもハイクラッチでタックルを決められ、0−2とされてこのピリオドを落とした。

 【2P】ルイスの足首を狙うタックルの前に、カウンターも通じずに1点を失った松永。終盤、再びタックルを決められて0−2とされたが、エスケープを試み、うまく相手に体を預けて2−2へ。ビッグポイントの差で松永の手が上がった。

 【3P】ルイスの左目から出血しており、ドクターのテーピングに時間がかかる。スタミナが回復しないうちに一気に攻めたい松永の逆風となった。そのためだけではないだろうが、思うように攻撃ができない。後半、ルイスがハイクラッチのタックル。松永は必死にこらえ、タックル返しを仕掛けて両者2点で2−2。立ち上がりざま、松永が大外刈りのような感じで投げて3点獲得。しかし、すぐにバックを取られ(1失点)、ローリングでまわされてしまった(1失点)。もつれた展開だったので、審判団はビデオをチェック。長い間の論議の末に、当初の判定どおり松永の手が上がった。


 【60kg級】湯元健一(日体大)    32選手出場

1回戦 ●[0−2(0-1=2:05,3-0)] Yandro Quintana(キューバ)

 《試合経過》

 【1P】湯元は腕とりなどで突破口を探すが、なかなか攻め込めない。しかし相手の攻撃も許さずに0−0のまま終了。コイントスで負けた湯元は、いったんは相手の攻撃から脱出すかけたが、最後は持ち上げられてしまった。

 【2P】第1ピリオドと同じで、お互いに攻撃できない。しかしラスト10秒を切った頃、キンタナが片足を取ってテークダウンを奪い、すぐにローリングで2点を加えた。


 【66kg級】池松和彦(K-POWERS)    37選手出場

1回戦 ○[2−0(2-0,1-0=2:07)] Li Quan(李全=中国)

 《試合経過》

 【1P】なかなか突破口を見い出せなかった池松だが、1分40秒、前方から崩してテークダウンを奪い一気にニアフォールへ。フォールはならなかったものの、2−0としてこのピリオドを先制。

 【2P】池松はがぶって落とすなど仕掛けるが、決定力に欠けた。0−0で終了し、コイントスで勝った池松が確実にポイントを取り、初戦を勝った。

2回戦 ○[2−0(2-0,2-0)] デュシャン・バブルナク(スロバキア)

 《試合経過》

 【1P】池松は足をかけて仕掛け、もつれたものの、うまく相手の体を落として2点を獲得。そのままのスコアでこのピリオドを取った。

 【2P】地力に勝る池松が2度テークダウンを奪い、2−0として勝った。



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