坂本日登美(自衛隊)が4年ぶり3度目の世界一へ…世界選手権第3日午後





 2005年世界選手権第3日は9月28日、ハンガリー・ブダペストのブダペスト・スポーツ・アリーナで男子フリースタイル1階級と女子2階級が行なわれ、女子51kg級の坂本日登美(自衛隊)が決勝へ進み、バネッサ・ブブライム(フランス)を第1ピリオド、フォールで破り、01年大会以来4年ぶり(3大会ぶり)3度目の世界チャンピオンに輝いた。

 坂本日登美は、1回戦でプエルトリコ選手、2回戦でウズベキスタン選手をいずれもフォールで撃破。3回戦で03年5位の文菊玲(ウェン・ジュリン=中国)を2−0で破り、準決勝で99年世界2位などの実績を持つエリカ・シャープ(カナダ)を2−0で下し決勝へ進んだ。

 5試合で失ったポイントは3回戦の1点のみというすばらしい内容。3度目の世界選手権優勝は、日本では浦野弥生、吉村祥子(以上通算6度優勝)、山本美憂(通算3度優勝)、浜口京子(通算5度優勝)、山本聖子(通算4度優勝)に続いて6人目。この中で世界選手権無敗は山本聖子に続いて2人目。2000年アジア選手権で優勝して以来、国際大会を10大会連続優勝となった。また「金3個」は、世界で歴代13位タイとなる。

 48kg級の坂本真喜子(和光ク)は3回戦でジェニー・ウォン(米国)を破ったものの、準決勝でアジア・チャンピオンの任雪層(レン・シュエセン=中国)に0−2で敗れた。3位決定戦で今年2戦2勝のリリア・カスカラコワ(ロシア)を2−1で破り、銅メダルを確保した。

 各選手の試合結果は下記の通り。(撮影=矢吹建夫)


 ◎女 子

 
【48kg級】坂本真喜子(和光ク)     3位=26選手出場


3回戦 ○[2−0(TF6-0=1:50,6-2)] Jenny Wong(米国)

 《試合経過》

 【1P】坂本は開始10秒でバックを取って1点を先制。腕を取ってフォールを狙う。逃げられたものの3−0。中盤にも1点を取り、グラウンド攻撃でポイントを加えて6−0としてテクニカルフォール勝ち。

 【2P】坂本がこのピリオドも速攻で1点を取り、腕取り固めでポイントを加える。途中、タックルをレッグホールドで返され2点を失ったものの、最後にポイントを加えて6−2とした。

準決勝 ●[0−2(1-@Last、1-5)] Ren Xuezeng(任雪層=中国)

 《試合経過》

 【1P】一進一退の攻防のあと、1分ころに坂本はフェイントをうまく使って片足タックルを決めて1点を先制。しかし、そのあとがぶりで攻められ、いったんは脱出しかけたが、ラスト10秒に痛恨の1失点。ラストポイントによって、このピリオドを落とした。

 【2P】同じく一進一退の攻防のあと、中盤に坂本のタックルをかわされ、バックに回られて1失点。そのあとローリングで回されて0−3へ。残り時間は35秒。坂本の勝負をかけたタックルは、見事なタックル返しを受けてしまい2失点。すぐにバックを取って1点を返したものの、残り10秒では反撃はできなかった。

3位決定戦 ○[2−1(0-1=2:04,1-0、TF7-0=0:45)] Liliya Kaskarakova(ロシア)

 《試合経過》

 【1P】お互いに決定力に欠き、攻撃ができない。中盤、カスカラコバのタックルを坂本がしっかりがぶり、時間がすぎてしまって0−0で終了。コイントスで負けた坂本は、テークダウンを奪われ、このピリオドを落とした。

 【2P】坂本は気を取り直して正面タックル。開始15秒で1点を取った。相手の一本背負いを冷静にかわすこと2度(リスクレスリングで0点)。1−0のスコアで最後まで闘い、ピリオドスコア1−1とした。

 【3P】崩しが効いた坂本。相手の投げの失敗をうまくテークダウンにつなげ、1点を先制。するとこん身の力でローリングを3回転。7−0としてテクニカルフォール勝ち。銅メダルを引き寄せた。


 【51kg級】坂本日登美(自衛隊)     優勝=22選手出場


3回戦 ○[2−0(2-0,2-1)] Wen Juling(文菊玲=中国)

 《試合経過》

 【1P】タックルを受けて倒されそうになった坂本だが、粘ってこらえ、逆に片足を取ってテークダウンを奪う。ラスト30秒にもタックルから場外に押し出し、2−0とした。

 【2P】開始早々、坂本は右足を取られ場外へ出されて1点を失った。しかし中盤と終盤に1度ずつテークダウンを奪い、2−1と逆転した。した。

準決勝 ○[2−0(3-0、TF6-0=1:27)] Erica Sharp(カナダ)

 《試合経過》

 【1P】開始から30秒で2−0とリードした坂本。その後も1点を加え、3−0として先制した。

 【2P】坂本はしっかりがぶり、逃げられそうになったあとは両足タックルへ切り替えてテークダウンを奪う。アンクルホールド2回転で2点を追加するなどし、1分の段階で5−0。その後も1点を加え、6−0としてテクニカルフォール勝ち。

決 勝 ○[フォール1P1:31(F3-0=1:31)] Vanessa Boubryemm(フランス)

 《試合経過》

 【1P】坂本は気合十分のタックルで1点を先制。さらに正面からタックルを決めて相手を背中からマットに倒し、そのままフォール勝ち。難なく勝って優勝を決めた。




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