【特集】「プレッシャーを乗り越えての優勝なのでうれしい」…吉田沙保里・一問一答
(表彰式直後の組織委員会オフィシャル・インタビュー)
――オリンピックを含めて4度目の世界一。今の気持ちは?
吉田 今回の世界選手権は厳しい闘いになると言っていましたが、思い切り自分のレスリングができ、タックルも決まったのでよかったと思います。
――オリンピック・チャンピオンとして臨む初めての世界選手権。プレッシャーは?
吉田 みんな打倒吉田できていたし、研究もされていた。厳しい中で優勝できたのでうれしい。
――今までの優勝と比べるとどうですか?
吉田 社会人としての初めての世界選手権で、いろんなプレッシャーがあった。それを乗り越えての優勝なのでうれしい。
――中国がどの階級でも躍進していた。決勝の相手の中国選手はどうでした。
吉田 前に一度勝ってる相手だけど、だからこそ怖い部分はあった。でも、自信はあったので、頑張って闘った。
――北京五輪へ向けて一言。
吉田 北京五輪まで無敗を続け、オリンピック2連覇を達成したい。
(ドーピング検査終了後)
――3度目、オリンピックを入れて4度目の世界一の今の気持ちは?
吉田 社会人になって初めての世界選手権。いろんな強豪が出てきた中での優勝は本当にうれしい。
――周りからのマークは感じましたか?
吉田 試合をしてみて、バービックとか、強くなっていることを感じました。
――組み合わせを見て反対側から出てくると予想した選手は?
吉田 ゴルツはゴミスに勝つと思いました。中国(蘇麗慧)にも勝つかな、と思いましたが、結局、中国が出てきました。でも、どちらが出てきても、同じだと思いました。
――失点0。すべてにおいて満点でしたか?
吉田 …、満点ではないんですけど、監督からもいろんなアドバイスをもらいました。
――満点ではない部分とは?
吉田 タックルを怖がって入ったこともありました。準々決勝のマケドニア戦かな?
――モルドバですね。
吉田 あ、(MDAって)モルドバなんですか。みんなマケドニアって言っていました。変なタックルとか出してしましました。失点はなかったんですけど、ヒヤリとした試合でした。
――片足タックルが多かったように見受けられましたが。
吉田 正面タックルは返されることが多いので。片足だと返されにくいので、研究した結果、片足タックルを多く使いました。
―― 外国選手から片足タックルを研究されたら、今度は正面タックルで勝負をかける、と。
吉田 がぶりとか、腕さばきを使うとか、タックル以外にも攻撃できるようにしたい。
――決勝は最初にいいタックルが決まりましたよね。
吉田 アジア選手権で闘い、正面タックルからのフォールで勝っているんです。今回も思い切っていって、返されたら返されたで、追いかけようと思いました。そのあと、相手はがむしゃらに突っ込んできたので、攻め込むことができませんでした。でも落ち着けてできたし、よかったかな、と。
――五輪後初めての世界選手権ということで、以前とは違った点は?
吉田 特に緊張はなかった。無敗を続けているということが一番のプレッシャーだった。社会人として、いろいろのプレッシャーもあった。プレッシャーは今までで一番大きかったけど、緊張の仕方は、今までと同じでした。慣れてきたかな、とは思いますが、慣れが怖い。ポカにつながるので、慣れないように闘っていきたい。
――どんな優勝の時でも泣きませんね。
吉田 勝った時は泣かないようにしています。引退試合だったら泣くかも。(栄和人監督が「目標はもっと先だからな」と口をはさむ)
――優勝後に掲げた日の丸は?
吉田 会社の人たちが壮行会を開いてくれ、寄せ書きしてくれました。日本からも何人かの方に応援に来ていただき、本当に感謝しています。