松本慎吾(一宮運輸)が2連勝…世界選手権第6日午前





 2005年世界選手権第6日は10月1日、ハンガリー・ブダペストのブダペスト・スポーツ・アリーナで男子グレコローマン3階級が行なわれ、84kg級の松本慎吾(一宮運輸)が、初戦の2回戦でガセム・ラザエイ(イラン)を2−1で、3回戦で欧州3位のバドリ・カサイア(グルジア)をフォールでそれぞれ破り、4回戦(準々決勝)へ進出した。アテネ五輪6位のオレクサンドル・ダラガン(ウクライナ)と対戦する。

 66kg級の飯室雅規(自衛隊)は、1回戦に勝ったあと、2回戦で李岩岩(中国)相手に警告失格。相手は3回戦を勝ち抜いており、まだ敗者復活戦への道が残されている。

 74kg級の岩崎裕樹(銀水荘)は、初戦の2回戦でクリストフ・グーノ(フランス)に1−2で判定負け。相手が次の試合で負け、敗者復活戦への道を断たれた。

 各選手の成績は下記の通り。(撮影=矢吹建夫)


 ◎男子グレコローマン

 【66kg級】飯室雅規(自衛隊)     39選手出場

1回戦 ○[警告2P1:07(4-0,Disq2-0=1:07)] Valijon Jonhurozov(ウズベキスタン)

 《試合経過》

 【1P】スタンド戦は0−0。コイントスに勝った飯室がリフトすると、相手は脚をかけて防御(2−0)。もう1度リフトを狙った飯室だが、失敗してバックを取られたものの、2−1。防御に回った飯室は、うまい身のこなしでバック(3−0)を取り、30秒を守り切って4−0とした。

 【2P】スタンド戦は0−0。コイントスで勝った飯室がリフトを狙うと、相手は再び脚をかけて防御。これが通算3度目の警告となり、飯室が試合に勝った。

2回戦 ●[警告3P1:00(3-2,0-5,Disq1:00=0-1)] Li Yanyan(李岩岩=中国)

 《試合経過》

 【1P】スタンド戦は0−0。攻撃権を得た飯室は、リフトを決めて3点。防御の時に相手のリフトに脚をからめてしまって2点を失ったが、3−2でこのピリオドを取った。

 【2P】スタンド戦は0−0。先に攻撃した飯室だがタイミングが合わずにバックへ回られ1失点。30秒でぴポイントを挙げられずに0−2へ。防御では3点のリフトを受けてしまい0−5。

 【3P】スタンド戦は0−0。攻撃権を得た飯室だが、クラッチの組み方を注意され、再度の注意の末に警告を宣言され、3度目の警告を取られた。

 ※この日の朝、クロス・ボディ・ロック(俵返しの組み手)に関し、「腕を相手の腹の下に深く入れてはいけない」という通達がなされました。飯室選手は、左腕を深く入れ、レフェリーとチャーマンの注意にもかかわらず、同じような形でトライ。そのスタイルが正しいスタイルではないと判断され、警告を取られてしまいました。


 【74kg級】岩崎裕樹(銀水荘)      33選手出場

※1回戦は試合なし


2回戦 ●[1−2(TF0-5=1:30,3-0,2-ACaution)] Christophe Guenot(フランス)

 《試合経過》

 【1P】岩崎が開始30秒、胴タックルで先制。1−0でグラウンド戦の攻撃権を取ったが、うまく立たれてしまい、30秒でポイントを取れなかった(0−1)。防御になった岩崎は、5点のリフト技を受けてしまいテクニカルフォール負け。

 【2P】スタンド戦は0−0。コイントスに負けてグラウンドの防御となった岩崎は、相手のリフトを1失点にこらえる。攻撃に回るとリフト技を決め、3−0でこのピリオドを取った。

 【3P】スタンド戦は0−0。グラウンドの攻撃権を得た岩崎は、俵返しは失敗したものの、後ろに回ってラスト1秒にローリングを決めて2−0とリード。防御に回ると、相手のリフトを必死にこらえたものの、脚がからまり、警告と取られて2失点。2−2ながら、警告の数でこのピリオドを落とした。


 【84kg級】松本慎吾(一宮運輸)      39選手出場

※1回戦は試合なし


2回戦 ○[警告3P2:00(3-2,1-@Last,disq2:00=1-0)] Ghasem Rezaei(イラン)

 《試合経過》

 【1P】スタンド戦は0−0。攻撃権を得た松本はリフトを仕掛けたものの、体勢が崩れ1点のみで、相手にバックを取られてしまい、ローリングで回された(1−2)。しかし防御では、すぐに立ち上がり、場外へ押し出して2−2へ。30秒間守り抜き、3−2としてこのピリオドを先制。

 【2P】スタンド戦は0−0。グラウンドの攻防はお互いにポイントがなく、後半の守りだった相手がこのピリオドの勝者へ。

 【3P】スタンド戦は0−0。攻撃権を得た松本はリフトを仕掛け、決まったかに見えたがタイムの方が先で、警告による1失点。しかし30秒の防御を守り抜き、相手に3度目の警告を与えて勝った。

3回戦 ○[フォール3P1:38(1-@Last,@Last-1,F5-1=1:38)] Badri Khasaia(グルジア)

 《試合経過》

 【1P】スタンド戦は0−0。グラウンドはお互いにポイントがなく、後半に守った相手の勝ち。

 【2P】スタンド戦は0−0。このピリオドもグラウンドでともにポイントがなく、後半に守った松本の勝ち。

 【3P】0分42秒、松本が胴タックルを決められて0−1。このためグラウンドで防御をしいられた松本だが、うまく立ち上がり、相手のバランスが崩れてタイミングよくニアフォール体勢へ。そのままフォールした。




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