伊調千春(中京女大)が坂本真喜子(和光ク)を破る…全日本選手権第1日





 2006年天皇杯全日本選手権第1日は12月21日、東京・代々木第二体育館で男女7階級が行われ、女子48kg級はアテネ五輪銀メダルの伊調千春(中京女大)が今年の世界選手権銅メダルの坂本真喜子(和光ク)を2−0で下し、2年ぶり通算3度目の優勝を飾った。同67kg級は坂本襟(ワークスジャパン)が初優勝した。

 男子フリースタイル120kg級は田中章仁(FEG)が5年連続優勝。同96kg級は小平清貴(警視庁)が3年連続4度目の優勝を達成し、同84kg級は松本真也(日大)が昨年優勝の磯川孝生(拓大)を決勝で破って初優勝を飾った。

 男子グレコローマンは、96kg級が加藤賢三(自衛隊)が勝って2年ぶり3度目の優勝。120kg級は鈴木克彰(警視庁)が2年ぶり5度目の日本一に輝いた。

 各階級の成績は下記の通り。(撮影=矢吹建夫)


《pdfファイル》
男子フリー
84kg級
男子フリー
96kg級
男子フリー
120kg級
男子グレコ
96kg級
男子グレコ
120kg級
女子
48kg級
女子
67kg級

 ◎男子フリースタイル

 
【84kg級】

 ▼1回戦
伊藤拓也(早大)○[2−0(1-0,3-0)]●渡辺昌人(山梨学院大)
門間順輝(日体大)○[2−0(1-0,TF6-0=1:05)]●高橋伸吉(高橋工業)
磯川孝生(拓大)○[2−0(5-0,4-1)]●宮路高行(拓大)
鈴木豊(自衛隊)○[2−0(4-0,2-0)]●古家圭(立命館大)
柴田寛(山口県協会)○[フォール、1P1:11(F4-0=1:11)]●藤本大輔(日体大)
小西誠(自衛隊)○[2−0(1-0,1-0)]●小室直人(茨城・霞ヶ浦高)
松本真也(日大)○[2−0(1-0,1-0)]●山縣養一(日大)

 ▼2回戦
山本悟(岡山・鳥城高教)○[2−0(1-0,@Last-1)]●伊藤拓也(早大)
磯川孝生(拓大)○[2−0(4-3,1-0)]●門間順輝(日体大)
鈴木豊(自衛隊)○[2−1(0-3,TF6-0,4-0)]●柴田寛(山口県協会)
松本真也(日大)○[フォール、2P1:51(2-0,TF6-0=1:51)]●小西誠(自衛隊)

 ▼準決勝
磯川孝生(拓大)○[2−1(0-1=2:14,3-0,1-0=2:30)]●山本悟(岡山・鳥城高教)
松本真也(日大)○[2−1(0-2,2-0,2-1)]●鈴木豊(自衛隊)

 ▼決勝
松本真也(日大)○[2−1(3-0=2:05,1-3,4-0)]●磯川孝生(拓大)

 ※松本は初優勝。

 《試合経過》

 [1P]0−0で2分間を終了。コイントスで勝った松本が3点タックルを決めて勝った。

 [2P]磯川が30秒でバックを取り、粘ってローリングを決めて3−0。ラスト30秒に松本のタックルを受けたが、3−1で勝った。

 [3P]1点をめぐってきわどいシーンが続き、1分40秒、松本がテークダウンを奪う。やや気落ちした磯川からローリングを決め、そのあともタックルで1点を加えて4−0としてけりをつけた。

 【96kg級】

 ▼1回戦
下中隆広(国士大)○[2−0(4-0,3-0)]●安西信昌(明大)
尾島好洋(専大)○[フォール、2P1:01(TF6-0=1:22,F4-0=1:01)]●渡辺瑞基(宮城工高)
木暮僚太(山梨学院大)○[2−1(0-1,2-0,1-0)]●森川真吏(国士大)
坂本憲蔵(日本文理大)○[2−0(3-2,1-0)]●相沢純(東洋水産)
東誠次(立命館大)○[2−1(3-5.2-0,1-0)]●浜田圭介(中大)
井上稔(明大)○[フォール、2P1:54(1-0、F3-0=1:54)]●藤本健治(岩手・盛岡工高)

 ▼2回戦
小平清貴(警視庁)○[2−0(1-0,5-0)]●下中隆広(国士大)
木暮僚太(山梨学院大)○[2−1(0-1,1-0,1-0)]●尾島好洋(専大)
東誠次(立命館大)○[2−0(1-0,1-0)]●坂本憲蔵(日本文理大)
米山祥嗣(日体大)○[フォール、2P1:11(5-0、F5-0=1:11)]●井上稔(明大)

 ▼準決勝
小平清貴(警視庁)○[フォール、1P0:48(F4-0=0:48)]●木暮僚太(山梨学院大)
米山祥嗣(日体大)○[2−0(1-0=2:09,1-0)]●東誠次(立命館大)

 ▼決勝
小平清貴(警視庁)○[2−0(1-0=2:30,1-0)]●米山祥嗣(日体大)

 ※小平は3年連続4度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]0−0で終了。コイントスで勝った米山だが、腕を切られて守られ、小平がこのピリオドを取った。

 [2P]0−0のまま試合が進んだが、終了間際、小平が右への片足タックルを決めて押し出し、貴重な1点を取って試合を決めた。

 【120kg級】

 ▼1回戦
新海一樹(明大)○[2−1(0-1=2:11,1-0=2:23,1-0)]●岡村龍太郎(拓大)
高林努(日本文理大)○[2−1(1-0=2:04,0-1=2:05,1-0)]●山口恭平(徳山大)
桜井紀宏(日体大)○[2−1(1-1,3-3,TF6-0=0:43)]●金親幸嗣(中央クラブOB)
荒木田進謙(青森・光星学院高)○[2−0(3-1,TF6-0=1:31)]●花田眞秀(和歌山県立武道館)

 ▼2回戦
田中章仁(FEG)○[2−0(TF6-0=1:06,TF7-0=0:55)]●新海一樹(明大)
北村克哉(専大)○[2−0(TF7-0=0:24,1-0)]●高林努(日本文理大)
西田耕一朗(福井県協会)○[2−0(3-1,1-0)]●桜井紀宏(日体大)
荒木田進謙(青森・光星学院高)○[2−0(5-4,6-1)]●秋葉洋一(練馬駐屯地ク)

 ▼準決勝
田中章仁(FEG)○[2−0(1-0=2:08,2-0)]●北村克哉(専大)
荒木田進謙(青森・光星学院高)○[2−0(3-0,2-1)]●西田耕一朗(福井県協会)

 ▼決勝
田中章仁(FEG)○[フォール、1P0:38(F4-0=0:38)]●荒木田進謙(青森・光星学院高)

 ※田中は5年連続5度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]試合開始から攻めた田中。最初はしのがれたものの、すきをついて飛行機投げを決めた。そのまま横四方固めでがっちりと押さえ込み、フォール勝ち。

 ◎男子グレコローマン

 
【96kg級】

 ▼1回戦
長友大祐(日体大)○[2−0(2-0,5-0)]●小笠原寛(青山学院大)
山本雄資(山梨学院大)○[フォール、2P1:40(TF6-0=1:16,F6-0=1:40)]●茄子野陽介(桃山学院大)
山口竜志(拓大)○[2−0(TF7-0=0:59,4-0)]●平田裕太郎(岡山・笠岡工高)
森保弘(朝明チーム)○[フォール、2P1:56(3-0,F4-1=1:56)]●野口智行(専大)
曽我部健(国士大)○[フォール、3P2:00(1-@Last,3-1,F4-0=2:00)]●正木裕也(日体大)

 ▼2回戦
加藤賢三(自衛隊)○[2−0(6-1,5-1)]●長友大祐(日体大)
山口竜志(拓大)○[2−0(2-0,4-0)]●山本雄資(山梨学院大)
森保弘(朝明チーム)○[2−0(TF6-0=1:30,2-1)]●子本真照(青山学院大)
森角裕介(長野・蓼科高教)○[2−1(4-1,1-@Last,3-2)]●曽我部健(国士大)

 ▼準決勝
加藤賢三(自衛隊)○[警告、3P1:30(0-5,5-0,C1-1=1:30)]●山口竜志(拓大)
森角裕介(長野・蓼科高教)○[2−0(TF6-0=2:00,3-0)]●森保弘(朝明チーム)

 ▼決勝
加藤賢三(自衛隊)○[2−0(3-0,@Last-1)]●森角裕介(蓼科高教)

 ※加藤は2年ぶり3度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]スタンド戦は0−0。攻撃権を得た加藤は横崩しを決め、ニアフォールの体勢へ。ルールでそのまま試合が続き(30秒で攻守交替せず)、加藤が3−0でこのピリオドを取った。

 [2P]スタンド戦は0−0。グラウンドの攻防もお互いに決め手がなく1−1。最後に守って1点を取った加藤がこのピリオドを取り、試合を決めた。

 【120kg級】

 ▼1回戦
安田伊織(早大)○[2−0(3-0,3-2)]●室谷正憲(和歌山県教育庁)
早乙女亮(青山学院大)○[2−0(3-0,3-0)]●小椋健太(桃山学院大)
高橋信一(日大)○[フォール、1P1:19(F3-0=1:19)]●丸山秀樹(東農大)
中村淳志(拓大)○[2−0(5-3,5-0)]●重留慎悟(日大)

 ▼2回戦
沢田直樹(徳山大ク)○[2−0(3-0,3-2)]●安田伊織(早大)
鈴木克彰(警視庁)○[2−0(3-0,3-0)]●早乙女亮(青山学院大)
新庄寛和(国士舘ク)○[フォール、1P1:19(F3-0=1:19)]●高橋信一(日大)
社藤哲也(日体大)○[2−0(5-3,5-0)]●中村淳志(拓大)

 ▼準決勝
鈴木克彰(警視庁)○[2−0(3-0,3-0)]●沢田直樹(徳山大ク)
新庄寛和(国士舘ク)○[2−0(@Last-1,@Last-1)]●社藤哲也(日体大)

 ▼決勝
鈴木克彰(警視庁)○[2−0(@Last-1,@Last-1)]●新庄寛和(国士舘ク)

 ※鈴木は2年ぶり5度目の優勝。

 《試合経過》

 [1P]スタンド戦は0−0。グラウンドの攻防も両者決まらず1−1へ。後半に守った鈴木が、ラスとポイントによってこのピリオドを取った。

 [2P]スタンド戦は0−0。第1ピリオドと同じ状況で鈴木がこのピリオドを取って勝負を決めた。

 ◎女子

 
【48kg級】

 ▼1回戦
前原愛(関大)○[2−0(@Last-1,1-0)]●渡辺菜穂(埼玉・埼玉栄高)
坂井のりこ(愛知・至学館高)○[2−0(1-0,1-0)]●浜中由美子(日体大)
片渕有紀(同志社大)○[フォール、2P0:41(1-0,4-0=0:41)]●坂本友里恵(岩手・宮古商高)
進藤恵(堺女短大)○[2−0(TF7-0=0:46,TF7-0=0:50)]●吉澤碧(大東大)

 ▼2回戦
坂本真喜子(和光ク)○[フォール、1P1:10(F4-0=1:10)]●前原愛(関大)
池田弘美(青山学院大)○[2−0(3-1,ABig-2)]●坂井のりこ(愛知・至学館高)
船津友里(東洋大)○[フォール、2P1:46(0-3,F3-5=1:46)]●片渕有紀(同志社大)
伊調千春(中京女大)○[2-0(TF7-0=0:46,TF7-0=0:50)]●進藤恵(堺女短大)

 ▼準決勝
坂本真喜子(和光ク)○[フォール、1P0:53(F4-0=0:53)]●池田弘美(青山学院大)
伊調千春(中京女大)○[2−0(1-0,TF7-0=0:50)]●船津友里(東洋大)

 ▼決勝
伊調千春(中京女大)○[2−0(3-0=2:10,5-0=2:06)]●坂本真喜子(和光ク)

 ※伊調は2年連続2度目の優勝(51kg級を合わせて3度目の優勝)。

 《試合経過》

 [1P]1点をめぐっての試合は、0−0で2分間を終了。コイントスで伊調が勝ち、タックルで坂本を持ち上げてマットに落とした。

 [2P]第1ピリオドと同じく0−0で2分間を終了。コイントスで再び勝った伊調が、同じように大きく持ち上げて5点タックルを決め、このピリオドを制して試合に勝った。

 【67kg級】

 ▼1回戦
鈴木博恵(京都・立命館宇治高)○[フォール、1P0:40(F4-0=0:40)]●宇野杏奈(三重・四日市四郷高)

 ▼準決勝
坂本襟(ワァークスジャパン)○[2−0(2-0,1-0)]●鈴木博恵(京都・立命館宇治高)
新海真美(中京女大)○[2−0(3-0,2-1)]●菅原美々(警視庁)

 ▼決勝
坂本襟(ワァークスジャパン)○[フォール、1P1:17(F6-0=1:17)]●新海真美(中京女大)

 ※坂本は初優勝。

 《試合経過》

 [1P]坂本が回りこみ、21秒で1点を獲得。腕取りでフォールの体勢へ。これは逃げられたが、もう一度仕掛け、しっかりとフォール。



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