【特集】「今年ダメなら、やめるつもりでした」…男子グレコ120kg級・鈴木克彰




 ▼決勝
鈴木克彰(警視庁)○[2−0(@Last-1,@Last-1)]●新庄寛和(国士舘ク)

 《試合経過》

 [1P]スタンド戦は0−0。グラウンドの攻防も両者決まらず1−1へ。後半に守った鈴木が、ラスとポイントによってこのピリオドを取った。

 [2P]スタンド戦は0−0。第1ピリオドと同じ状況で鈴木がこのピリオドを取って勝負を決めた。

 男子グレコローマンの最重量級の王者に、00〜04年に4連覇を達成していた鈴木克彰(警視庁)が戻ってきた。昨年の全日本選手権で負け、今年6月の明治乳業杯全日本選抜選手権では3位どまり。「このあたりで終わりか」という声もあったが、準決勝で世界選手権代表の沢田直樹(徳山大ク)に2−0(3-0,3-0)で快勝し、決勝で昨年王者の新庄寛和(国士館ク)にリベンジ。風評を見事にはね返して、実力を見せた。

「久しぶりに表彰台の一番高いところに昇り、いい気持ちでしたね」と言う鈴木は、「ことしダメならやめるつもりでした。やめる覚悟で頑張りました」と悲壮な決意で臨んだ胸のうちを披露。「優勝できたので、まだやれるという自信が出てきた。来年は世界選手権とアジア大会を目指して頑張りたい」と、世界へ目を向ける気持ちが戻ったようだ。

昨年の大会は、四つ組のクリンチが採用されており、訳の分からないうちに負けてしまった決勝だった。「ローリングを中心としたグラウンドが得意なので、グラウンドの攻防が採用された今のルールは好きです。グラウンドの秘密兵器もありますし…」と、世界へかける気持ちを話した。

(撮影=矢吹建夫)




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