【特集】「まず国内予選に勝ち、それから世界Vを目指す」…男子フリー55kg級・松永共広



 ▼決勝
松永共広(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(4-0,TF6-0=1:23)]●稲葉泰弘(専大)

 《試合経過》

 [1P]松永が回りこみ〜アンクルホールドの速攻で2−0。ラスト30秒にも足首をすくって1点を加え、終了間際にも回りこんで1点を加えた。

 [2P]松永が正面タックルを決めて3点を先制。稲葉のタックルを足で返すという機転をきかせ、3点を加えて6−0とした。

 フリースタイルのエースに成長した感のある55kg級の松永共広(ALSOK綜合警備保障)は、決勝で世界ジュニア選手権2位の稲葉泰弘(専大)を寄せつけず、2年連続3度目の優勝。「応援してくれた人の期待に応えられて、うれしいです」と安堵の表情を浮かべた。

 決勝はタックルが面白いように決まり、マットサイドで見ていたソウル五輪金メダリストの小林孝至・日本協会広報副委員長を「彼は伸びるよ」とうならせた。「世界選手権ではタックルになかなか取れなかった」という悔いが積極果敢な攻撃につながっているとのことで、攻撃し続けての優勝に満足そう。

 世界選手権は5位で、あと一歩でメダルを手にできる位置につけた。しかし「国内の試合でしっかりと勝つことが大事。来年は、まず国内予選にしっかり勝って、それから世界選手権の優勝を目指します」と、やたら上を見ることよりも足元をしっかりと固めていくことの重要性を話す。

 そんな松永に対し、アテネ五輪銅メダリストの田南部力選手(警視庁)が北京五輪へ向けての復帰を決意したという情報がもたらされた。「何も聞いていませんが…。出てきても、勝てるように頑張りたい」。先輩に遠慮してか、きっぱりとした口調ではなかったが、今の勢いを続け、日本代表の座を死守する腹積もりだろう。

(撮影=矢吹建夫)




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