明治乳業杯全日本選抜選手権 優勝者のコメント&熱戦写真


【フリースタイル84kg級決勝】

横山秀和(秋田・秋田商高校教)○[6−0]●磯川孝生(拓大)

《経過》横山がパッシブを取り、パーテールポジションから
ローリングなどで3−0とリード。
第2ピリオドも片足タックルで1点を加え、最後は6−0として快勝した。


    


 横山が13歳も若い磯川を下し、96年アトランタ五輪以来の五輪代表を決めた。五輪に2度以上出場した選手は多いが、1大会をはさんでの五輪出場は日本レスリング界で初。「8年。長かったです。一度は引退して指導者になろうと思いましたが、復帰するチャンスをいただけたので」という挑戦が実った。

 試合に勝っても大げさなポーズをとることのない選手だったが、今回は力強くガッツポーズ。「苦しさから解放されてホッとした気持ちの現れです。アトランタのときは日体大助手だったので練習環境が整っていましたが、今回は仕事をしながらつかんだオリンピック代表権なので、喜びも大きいです」と言う。

 地方教員としての五輪出場には多くの困難があった。「地方でもできるというところを見せられたと思います。自分自身、まだまだやれるという自信にもなりました」と言う。また33歳はチーム最年長で、日本レスリング界では92年バルセロナ五輪での太田章の35歳、同五輪の森山泰年の34歳に続く年長記録。地方教員というハンディを考えれば、偉大な記録といえるだろう。「歳をとったなぁ、と思いますが、周りの若い選手から若さをもらってがんばります」と、最後(?)の五輪へ燃えていた。(取材=宮崎俊哉、構成=樋口郁夫)




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