【特集】号泣の服部、2月決戦にかける岩間、斉藤…プレ五輪



 五輪実施階級ではないものの、プレ五輪大会の51kg級で服部担子(中京女大)、59kg級で岩間怜那(リプレ)が銀メダル、67kg級の斉藤紀江(ジャパンビバレッジ)が銅メダルを獲得し、2月の五輪代表選考(ジャパンクイーンズカップ)へ弾みをつけた。

 もっとも、3選手の気持ちの中には金メダルでなければ納得できない部分が当然あるだろう。最も悔しさをあらわにしたのが2点のリードを守りきれずに敗れた服部。表彰台の上では涙がとまらず、何度も嗚咽(おえつ)するほどの落ち込み。「あと1点取らなければならなかったので、取りにいったけど、入りかたが甘かった」と、中途半端なタックルをいつまでも悔やんだ。

 五輪実施階級ではないので、自分にとってはこの大会が"オリンピック"。「絶対に優勝するつもりでした」という気持ちがあっただけに、悔しさが消えない。表彰式のあと、アテネ五輪組織委員会のヤナ・アンゲロプロス委員長(女性)が、肩を抱き必死に励ましていたのが印象的。「がんばったので泣かないで、と言っていた感じだった」という。

 アジアカップで負けた中国選手にまたも苦杯を喫してしまった岩間は、前回の対戦をふまえて「ローリングなどグラウンド技に気をつけたが、スタンドがおろそかになってしまった。点が取れるべきところで取れなかった」と悔やんだ。差は縮まったという感触はあるものの、「勝たないと仕方ないですね」と肩を落とした。

 このあとは55kg級で五輪代表を狙う。「大変ですけど頑張ります。スピードでは(吉田沙保里と山本聖子に)勝てないけど、自分の利点であるパワーを生かしたい」と気を取り直していた。

 同じく中国選手に準決勝で敗れた斉藤は「体が止まってしまった。もっと動き続けなければならなかった」と反省した。その分、決勝では自然と体が動き、うまく内またが決まって18秒でフォール勝ち。72kg級での2月の決戦へつながる結果を残した。「悪かった点を克服してクイーンズカップへつなげたい。浜ちゃん(浜口京子)の試合は全部見て研究しました。頑張ります」と結んだ。(取材・宮崎俊哉)




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