豊田雅俊(警視庁)が02年世界王者破って優勝…グレコ五輪第2次予選第2ステージ




 グレコローマンのアテネ五輪第2次予選第2ステージ最終日は14日、ウズベキスタンのタシュケントで決勝までが行われ、五輪出場資格を獲得して準決勝も勝ち抜いた55kg級の豊田雅俊(警視庁)は、決勝で02年世界チャンピオンのグエイダー・マメダリエフ(ロシア)を逆転の判定勝ちで破って優勝した。

 同じく五輪出場資格を取り、3位決定戦へ回った84kg級の松本慎吾(一宮運輸)は、02年欧州4位のブルガリア選手を破って3位に入賞した。(レポート=保高幸子)


 【55kg級】豊田雅俊(警視庁)   優勝=19選手出場

決 勝 ○[5−3] Gueider mamedaliev(ロシア)

 
《経過》第1ピリオドは0−0。四つ組みでスタートした第2ピリオド、ともに仕掛けるが投げられて豊田が3失点。豊田はパッシブを取り、通称“嘉戸スペシャル”で投げるが体が返らない。しかし、その流れで俵返しにスイッチし、豪快な俵返し。審判協議で5点が入り、逆転で前世界王者を破った。

 
豊田雅俊の話「正直なところ、優勝できるとは思っていませんでした。優勝を確信したのは、5点を取った時です。その俵返しにいく時のパッシブで、また福田会長と目があい、『よし、いけよ!』というようにガッツポーズをしてくださいました。それに応えられてうれしいです。地元のウズベキスタン戦、バルセロナ五輪のチャンピオン、2002年の世界チャンピオンと、ノビサド大会よりきつい闘いでした。まして、初戦で指を脱きゅうしてしまって…。福田会長と藤本先生(日体大部長=同じ徳島県出身)が応援してくださり、本当に力が湧きました」

 
同じく五輪資格を取った松本から「ウズベキスタン戦の時は客席から祈りました。勝った時(1−2で延長戦。そのあとローリングで逆転)は、感動で涙が出そうになりましたよ」


 【84kg級】松本慎吾(一宮運輸)   3位=20選手出場

3位決定戦 ○[フォール、4-0] Vladislav Metodiev(ブルガリア)

 
松本慎吾の話「目標は優勝でしたが、まず五輪の枠取りを考えていました。組み合わせでキューバと当たることが分かったとき、今回は絶対に勝つぞ、と思いました。ノビサドでは、ロシアに負けたあとの対戦で(0−5の判定負け)、モチベーションは下がっていましたね。99年に世界チャンピオンになっている選手ですし、本当にうれしいです。シドニー五輪に出られなくて悔しい思いをしています。今回のオリンピックは出場だけでなく、メダルを取る大きな目標を持ちます。目標が高くすることで、このようながけっぷちの状況の中でも乗り切ることができるのだと思います」




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