田南部力(警視庁)が五輪王者破って優勝…ドイツグランプリ




 フリースタイルのドイツグランプリ最終日は6月13日、ドイツのライプチヒで決勝が行われ、55kg級の田南部力(警視庁)がシドニー五輪金メダリストのナミク・アブデュラエフ(アゼルバイジャン)を5−0で破って優勝した。前週のマケドニア・パール国際大会に続いて連続優勝。

 60kg級の井上謙二(自衛隊)、66kg級の池松和彦(日体大助手)、74kg級の小幡邦彦(綜合警備保障)は決勝で敗れ、いずれも2位に終わった。フリー・チームの欧州遠征はこれで終了し、15日に帰国する。

 ドイツ・グランプリ最終日の成績は下記の通り=細線は既報。(レポート:ウイリアム・メイ)

 
和田貴広・日本協会専任コーチの話「決勝戦の1勝3敗で、試合の内容はあまりよくなかった。井上、池松、小幡はあまり良いレスリングが出せなかった。日本に帰って、やり直すことをやり直して、頑張ります。田南部については、アテネ五輪での何人かのメダル候補の一人になっていますね」


 【55kg級】田南部力(警視庁)    優勝=11選手出場

予選1回戦 ○[Tフォール、5:18=11-1] Dennis Langner(ドイツ)
予選2回戦 ○[Tフォール、4:06=12-0] Kai Wedekind(ドイツ)
予選3回戦 ○[Tフォール、2:16=10-0] Alexey Kosarev(ベラルーシ)
準  決 勝 ○[Tフォール、1:22=11-0] Shaun Williams(南アフリカ)

決    勝 ○[5−0] Namig Abdullaev(アゼルバイジャン)
  
《経過》シドニー五輪王者に対し、田南部はパッシブを取ってパーテールポジションのチャンス。ここでアンクルホールドを決めて1−0と先制。アブデュラエフのタックルをカウンターとひざ折りまたさきで返して4−0と点差を広げ、第2ピリオド、アブデュラエフが焦って手荒な組み手を仕掛けてレフェリーに注意されたりしたが、田南部は冷静さを失わず、片足タックルを取って5−0で試合終了。

 
田南部力の話「4年前に試合したことがあって、これまで1勝1敗でした。彼のことをよく知っています。この4年間、今度対戦するときはどう戦おうかと常に考えていた。自分が成長していると思います。この遠征はポイントをやらないことを目標としました。これから日本に帰って、技を絞って練習し、オリンピックへ向かって頑張ります」

      

     


 【60kg級】井上謙二(自衛隊)    2位=8選手出場

予選1回戦 ○[10−2] Mehmet Baygus(ドイツ)
予選2回戦 ○[7−1] John Pineda(カナダ)
予選3回戦 ○[フォール、0:58=4-0] Othmar Kuhner(ドイツ)

決   勝 ●[0−4] Guivi Sissaouri(カナダ)
  
《経過》井上は0−2とリードされながらも、延長で逆転を狙ったものの、クリンチがうまく合わず、井上に警告が与えられてシサオウリに2点が入り、あっけなく試合が終わった。1996年アトランタ五輪で銀メダルを獲得し、2001年の58kg級の世界チャンピオンとたシサオウリはバックに回って片足タックルを取って、前半に2−0とリードしていたが、井上は第2ピリオドはよく守り失点を許さなかっただけに、無念の失点だった。

     


 【66kg級】池松和彦(日体大助手)    2位=15選手出場

予選1回戦  BYE
予選2回戦 ○[7−1] Nikos Loizidis(ギリシャ)
予選3回戦 ○[8−2] Chris Harada(カナダ)
準  決  勝 ○[13−4] Christian Graupeter(ドイツ) 

決   勝 ●[1−4] Elman Asgarov(アゼルバイジャン)
  
《経過》アテネ五輪の出場権を持つ2人の試合は、前半は熱戦となったが、池松はパッシブのチャンスにアンクルホールドで1点を先制した。しかし第2ピリオド、アスガロフがローシングルを2度決めて逆転。池松は自分のリズムをつくれずに再再逆転ならなかった。アスガロフは一昨年の欧州選手権2位の選手。

    

    


 【74kg級】小幡邦彦(綜合警備保障)    2位=16選手出場

予選1回戦  ○[5−0] Stephen Kraft(ドイツ)
予選2回戦   BYE
予選3回戦  ○[Tフォール、2:59=10-0] Dominik Zeh(ドイツ)
準  決 勝  ○[3−0] Dennis Blum(ドイツ)

決   勝 ●[2−5] Krystian Brzozowski (ポーランド)
  
《経過》小幡がパッシブからのパーテールポジションからのチャンスにガッツレンチを決めて2点を先制したものの、片足首を取られて背中から倒れ2−4と逆転されてしまった。第2ピリオドにも足首を取られ、ポイントを失ってしまった。

     


 【84kg級】横山秀和(秋田・秋田商高教)   16選手出場

予選1回戦 ●[0−4] Lazaros Loizidis(ギリシャ)
予選2回戦  BYE
予選3回戦 ●[2−4] Majid Khodaee(イラン)

  




《前ページへ戻る》