笹本睦は明らかな誤審で準決勝進出を逃す…男子グレコ最終日



 アテネ五輪レスリング競技第5日は8月26日、アテネ市のアノリオシア・オリンピック・ホールで男子グレコローマンの決勝トーナメントが行われ、60kg級の笹本睦(綜合警備保障)はアトランタ五輪とシドニー五輪の覇者で、2002・03年世界チャンピオンのアルメン・ナザリアン(ブルガリア)と対戦。2−3から仕掛けた俵返しを、ナザリアンが手を笹本の足にかけて防ぎ、1度は反則で笹本に2点が上がったが、ビデオ判定の結果、反則とはならない不可解な判定で試合が続き、3−5で敗れた。5・6位決定戦へ回ることになった。

 成績は下記の通り(細線は既報)。


 【60kg級】笹本睦(綜合警備保障)   22選手出場

予選1回戦 ○[Tフォール、2:31=11-0] Sidney Guzman(ペルー)
予選2回戦  BYE
予選3回戦 ○[9−1] Dabor Stefanek(セルビアモンテネグロ)

決勝トーナメント1回戦 ●[3−5] Armen Nazarian(ブルガリア)

 
《経過》先にパッシブを取られた笹本。ローリングはこらえ、逆に返しそうになったが惜しくも逃げられた。中盤、がぶりから後方へ投げるがぶり返しを受け3失点。2度目は必死にこらえた。第2ピリオド、3分46秒にパッシブを取ったが、これはこらえられる。

 再び攻め、5分9秒に2度目のパッシブ。まずローリングを決めて2−3へさらに俵返しを狙い、ナザリアンの体を持ち上げた。後方へ投げたが、ナザリアンの体が笹本に覆いかぶさった。レフェリーはナザリアンの足をつかむ反則を取り、笹本に2点を上げたが、チェアマンはビデオ判定を要求。反則なしでナザリアンに2点が加わってしまった。

 FILA撮影のビデオからでは、ナザリアンの手が死角になっているそうで、足をつかんでいるところは見えなかったとのことだが、別の角度からのビデオは、ナザリアンの左手が笹本の右ひざの裏とお尻をしっかりさわり笹本のバランスを崩しているシーンが映っていた。この納得できない判定のため、ナザリアンの手が上がった。



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