【特集】学生王者から全日本王者へ躍進!…男子フリー60kg級・小島豪臣

 ▼1回戦  小島豪臣(日体大)○[フォール、5:20]●関川博紀(新潟・新潟県央工高教)
 ▼2回戦  小島豪臣(日体大)○[2−0(3-0,10-3)]●若山真毅(岐阜・恵峰学園教)
 ▼準決勝 小島豪臣(日体大)○[フォール、1:46]●湯元健一(日体大)
 ▼決  勝 小島豪臣(日体大)○[2−0(1-0,1-0)]●井上謙二(自衛隊)

  《決勝戦経過》第1ピリオド、井上がぶら下がり一本背負いを仕掛けるが、小島がこらえる。井上が中途半端な攻めにいったところを小島がタックルで返して貴重な1点。第2ピリオドは0−0。クリンチで小島が攻める側になり、いったんは手を離してしまったが、ラスト10秒に再び片足を取り、終了のホイッスルと同時にテークダウンを奪った。


 2年連続学生王者と学生間ではトップに登りつめたものの、全日本レベルの大会ではまだこれといって実績のない小島が、アテネ五輪銅メダリストの井上謙二を破って初の全日本王者に輝いた。

 井上が五輪までにずば抜けた成績を残していないためか、“強豪”というイメージは持っていなかったようだ。「自分にもチャンスがあると思った」と、おじけずくことはなく、「絶対に勝ってやろうと思って練習してきた。ふだんの練習通りにやれば勝てると思った」と、まず気持ちで負けていなかった。

 勝負を決めたのは、第2ピリオドのクリンチのラスト1秒という際どいところ。「最後はクリンチの手が離れてヤバイと思ったけど、セコンドから『あきらめるな』の声が聞こえて、あきらめないでいこうと頑張った」という。

 五輪銅メダリストを破ったのだから、単純に考えればそれだけの力があることになる。そのことを問われると、「自分でもそれくらいの力があるのかな、と思いました」。目標とする北京五輪が、ずっと身近なものに感じられたに違いない。

 初めて経験したであろう、30人を超える報道陣に囲まれての勝利者インタビューに、ちょっぴり照れの表情を浮かべた21歳。2005年の世界での飛躍が期待される。




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