【特集】アテネ五輪女子代表選手が新潟県中越地震被災者をお見舞い

(取材・撮影=宮崎俊哉)






 アテネ五輪の女子レスリングチームが12月24〜25日、新潟県中越地震被災者を見舞うため新潟県十日町市を訪れた。

 十日町市には、日本オリンピック委員会(JOC)の強化センターにも指定されている日大レスリング部合宿所「桜花レスリング道場」があり、地元の方々から絶大なる支援と応援をいただき、選手たちはそれぞれ“第二の故郷”と親しんでいる。

 今回の慰問は、日頃からお世話になっている地元の方々に感謝の気持ちを伝えるともに、地震に負けずにがんばってもらおうと、日本協会の福田富昭会長の発案により企画された。本来ならもっと早くに訪問するべきところだったが、自身はローマで行われた国際レスリング連盟の理事会があり、選手は北京五輪への大切なスタートとなる全日本選手権の準備などがあって、この時期のお見舞いとなった。

 参加者は、福田会長以下、鈴木光・アテネ五輪女子監督(ジャパンビバレッジ)、栄和人コーチ(中京女大職)、木名瀬重夫コーチ(JOC専任コーチ)、金浜良コーチ(ジャパンビバレッジ)、浜口京子選手(ジャパンビバレッジ)、伊調千春選手(中京女大)、吉田沙保里選手(中京女大)、伊調馨選手(中京女大)。

 一行は、全日本選手権の翌日早朝、東京を出発し十日町市役所、十日町小学校、吉田ふれあいスポーツセンター、南中学校、六箇小学校、老人保健施設きたはら、中条病院、キナーレ仮設住宅などを訪問。各学校ではクイズ大会や綱引き、腕相撲、ゲーム、クリスマス物語の発表会などさまざまな催しで五輪チームの来訪を歓迎。

 逆に選手たちは激励の言葉を書いた色紙やクリスマスケーキ、お菓子などがプレゼントし、サイン会、握手会などを行った。福田会長から滝沢信一・十日町市長に義援金が贈られた。

 福田富昭会長は「皆さんの元気な姿を見ることができて安心しましたし、逆に私たちが励まされ、素晴らしい激励をいただいた思いです。雪や寒さで大変だとつくづく思いましたが、選手たちが来たことで少しでも喜んでいただければ幸いです」と話し、被災地の一日も早い復興を望んでいた。


 浜口京子選手の話「まず初めに、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。皆さんが安心して暮らせるように、一日も早く復興されることを心から祈っています。私ができるのは、マットで戦う姿を見てもらって励みにしていただくことだけだと思いますので、これからも全力でがんばります。皆さんにお会いできて、本当にうれしかったです」

 
伊調千春選手の話「皆さんから声をかけていただきましたが、泣いている方もいても、さぞかし地震で怖い思いをされたんだなと感じました。人は一人では生きていけないので、みんなで支えあってがんばって欲しいと思います。小さいことでも、自分ができることをひとつひとつして、皆さんのお力になれればと強く思いました」

 
吉田沙保里選手の話「皆さんの元気な姿、笑顔が見られて安心しました。これから寒くなって本当に大変だと思いますが、体に気を付けてがんばってください」

 
伊調馨選手の話「思っていたより皆さんが元気なので、本当にうれしかったです。安心しました。地震に負けずに、これからもがんばってください。私もできる限りのことを協力させていただきたいと思います」




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