2008年五輪でも男子は両スタイル実施か?




 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ副会長は2月17日、プログラム委員会から提案されている五輪実施種目の削除について、今月20日から始まるIOC理事会で結論を出すことはないとの見通しを明らかにし、場合によっては来年夏のアテネ五輪以降にずれこむ可能性を示唆した。

 これにより、削除の対象に挙げられているレスリング男子のグレコローマンまたはフリースタイルは、少なくとも2008年北京五輪では実施される公算が強くなった。

 同副会長は、昨年11月の総会において、野球など3競技の削除について、五輪競技の適否を判定する基準を策定してから適用するべきとの見解が出たため、種目の削除についても同様の手順をふむべきであり、基準が完成していない段階では種目の削除も不可能との見解を示した。基準の完成はアテネ五輪後になる可能性もあるという。

 五輪憲章では、実施競技の変更は総会での決定を必要とするが、種目の変更は理事会に決定権があるため、レスリングの種目削除は、野球などの競技削除より簡単に決定されることも予想されていた。

 五輪競技の適否基準がアテネ五輪後の場合、すでに実施準備に取りかかっている08年五輪ではそのまま実施される公算が強い。しかし、女子レスリングの採用決定がアテネ五輪の3年前だったことを考えれば予断は許さず、五輪種目を完ぺきに満たすだけの条件が必要という状況に変わりはない。



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