日本スポーツ仲裁機構(JSAA)が発足




 国内のスポーツ紛争の解決にあたる日本スポーツ仲裁機構(JSAA)が4月7日、正式に発足した。薬物違反についての処分や五輪代表選考などで発生した選手と競技団体のトラブルに対し、仲裁する機関で、6月1日からの稼動する。

 国際スポーツ界の紛争を行うスポーツ仲裁裁判所(CAS)をモデルにした機構で、シドニー五輪前に五輪代表選考をめぐって水泳の千葉すず選手がCASに不服を訴え、国内でも同様の機構の必要という声があがり、今回の発足となった。この機関の発足により、各競技団体は五輪代表選考方法をこれまで以上に明確に示していかなければならなくなる。

 “裁判”には選手またはチームと競技団体の双方の合意が必要で、競技団体は日本オリンピック委員会(JOC)などの加盟、準加盟団体に限定される。申し立て費用は1件5万円。“裁判”は、弁護士や大学教授らによってリストアップされた候補者32人のうち、3人が「スポーツ仲裁パネル」を構成して行われる。選手またはチームと競技者が1人ずつを選び、その2人がもう1人を選任する。リスト以外からも選ぶことも可能だが、機構が中立性を欠くと判断すれば不可。

 通常は双方の言い分を聞き、3週間以内に結論を出す。二審はなく、一審が最終判断。ただしドーピングについては、CASに上訴できる。

 現段階では、強制力はないので競技団体が“裁判”を拒否することもできるが、申し立てがあった場合には必ず応じるよう呼びかけていくという。


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