【特集】ビル・メイのアジア選手権リポート…第3日(午前)

取材/文:ビル・メイ
(チェコ・プラハ在住、元国士大コーチ)


 日本ナショナル・チーム代表のフリースタイル66kg級の池松和彦(日体大)は、準決勝では首投げでアジア大会の銅メダリストのノルジン・バヤルマグナイ(モンゴル)を破りました。池松は決勝でイランのナンバー2のハッサン・ターマセビと戦います。

 池松とバヤルマグナイの試合は、ともに警戒して第1ピリオドは0−0で終わりました。クリンチでスタートの第2ピリオド、池松は一気に首投げを掛け、うまく決めて3点、しかし返されて3−2になりました。その後は池松が安全策の攻めを見せ、リードを守りながら最後に両足タックルを取って、4−2で勝ちました。

 フリースタイルのアジアの大会では、昨年のアジア大会で55kg級の田南部力(警視庁)が決勝へ進み銀メダルを取りましたが、池松が優勝したら、96年の和田貴広(62kg級)以来の金メダルとなります。

 しかし3日目の日本男子は池松以外に白星ゼロに終わりました。60kg級の松尾大士(日体大研)は、世界選手権で3位になったこともあるダミール・ザカルティノフ(ウズベキスタン)と3−3でで延長へもつれましたが、ハイ・クロッチを取られて3−4で負けてしまいました。敗者復活戦へまわり、アジア大会銅メダルのウラン・ナディルベク(キルギスタン)に4−9、ユン・ヨンホ(韓国)に2−5でそれぞれ敗れ、この日に3連敗を喫してしましました。

 74kg級の長島和幸(早大)はスジット・マン(インド)の片足タックルを止められなくて0−4。120kg級では、諏訪間幸平(クリナップ)がアリレザ・レザエイ(イラン)eとの試合開始直後、バックに回って送り出してコーションの1点をもらいましたが、その後はレザエイはレスリング教科書でした。7種類の技を使って、4分55秒、1−11でテクニカルフォール負け。

 グレコーロマンでは、96kg級の森角裕介(新日本プロレス職)はマスード・ハセンザデ(イラン)にパーテールポジションのチャンスを取りましたが、返すことができず、逆にガットレンチを2度許してしまい、0−4で負けました。しかし予選プールで2位になったので3位決定戦へ進みます。

 国士大1年生の鶴巻宰はポイナク・モシェン(イラン)にローリングで2度返されて0−4で敗れましたが、敗者復活戦へ回りました。マン・バシュアン(ベトナム)に対して3点の胴タックルを受け、3−5で負け、ルステム・バイセイトフ(カザフスタン)の首投げで投げられ、フォールで今回の大会で終わりました。

 日本の女子の選手は3日目の午前は試合がありませんでした。



《前ページへ戻る》