アジア選手権日本代表チームが帰国



 アジア選手権の日本代表チームが6月9日、インド・ニューデリーから帰国した。男子で唯一メダル(銀)を取ったフリースタイル66kg級の池松和彦選手(日体大助手)と女子で金メダルを取った5選手の談話は下記の通り。(取材・構成/横森綾)


 男子フリースタイル66kg級・池松和彦「初めての国際大会のメダルはうれしいのですが、悔しさが先にたちます。決勝戦で、あと1点とって3点にしていたら、という思いが頭を離れません。1回だけタックルに入って切られて、それだけにしてしまった。もっと入っておけば点が取れていたかもしれない。相手が攻めてこないからと、自分が様子を見ている感じになってしまった。

 去年の世界選手権で対戦したイランの選手(ダビール、シドニー五輪58kg級金メダル)の次の2番手の選手が今回の対戦相手です。ダビールよりも背が高くてリーチが長く、妙な感じがしました。 四つ組みの対策を考えなければならないのでしょうが、それよりも、絶対に四つ組みにならないようにしたい。前半で点を取れば、四つ組みになることはありませんから。

 今後は、もっと馬力と迫力を身につけてゆきたいです。今のままでは相手と五分。相手を圧倒するような力をつけたいです。それにしても、負けて終わる大会は、いくら銀メダルでも気分がよくない。負けて終わらないようになりたいですね」


 女子48kg級・野口美香(鹿児島・鹿屋ク)「表彰台の一番上に登ったのは、去年のカナダカップ以来です。本当にうれしかった。試合が進む途中で、ヒザをケガしてしまって、ものすごく腫れたところを薬とアイシングでごまかして試合をしてました。今では腫れも収まっていますが、また少し休ませないとならないですね」


 女子51kg級・服部担子(中京女大)「シニアの国際大会で、個人で表彰されたのは大学1年生のときのショーブ国際大会(フランス)以来です。うれしかったんですが、正直、物足りなさも感じました。51kg級は日本国内のレベルの方が高いですから。

 今年の世界選手権の選考には、これからどのくらい関われるか分かりませんが、もし出られるのであれば全力を出して挑みます。年末には、アテネ五輪の階級である48kg級に合わせて階級を下るつもりでいます」

(左写真は、前列左から服部、野口、岩間、後列左から正田、斉藤)


 女子59kg級・岩間怜那(リプレ)「試合はいつでも緊張します。日本でも、外国でもそれは変わりません。今回は、みんな体調を崩していろいろと大変でしたが、よい結果に終わってよかったです。年末には59kg級から55kg級に変更して、アテネ五輪にそなえる予定です」


 女子63kg級・正田絢子(東洋大)「「01年のアジア選手権(モンゴル)以来ですね、金メダルをもらうのは。一番というのは、やっぱり気持ちがいいですね。決勝戦は地元のインドの選手とだったので、一番緊張しました。会場には地元のお客さんがたくさん入っていたので、絶対に先にポイントを取らないと、と考えて試合に挑みました。地元の選手に先攻させたら、いやでも会場が盛り上がります。そんな中で追いかける試合はしたくなかった。声援の様子で試合の流れが変わってしまうこともありますから。だから、先に点を取って攻められた決勝の試合は狙いどおりです。
 
 今まで、自分から攻めることがなかなかできない試合が多かった。でも、今回の試合では自分から攻めることができて、自信になりました」


 女子67kg級・斉藤紀江(ジャパンビバレッジ)「優勝できましたが、インドまで行って参加選手が2人、というのは正直、寂しかったですね。せっかく行ったので、もっと試合をしたかった。実は、唯一の試合の相手は地元のインドの選手ですが、2年前のアジア選手権で対戦して、そのときは負けているんです。緊張しました。でも、勝つことができて、自分もあのときと同じではないんだな、と自信になりました。今回、みんな体調を崩して大変だったんですが、女子チームでは私ひとりだけ、全然だいじょうぶでした。最後まで元気でしたよ」



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