【特集】過酷な48kg級への挑戦に「うれしい」…女子51kg級・伊調千春




 昨年、2位の表彰台で悔し涙を流した伊調千春(中京女大)。ことしの大会は、一番高いところでうれし涙を流した。決勝戦のマットに上がったとき、1年前(正確には約10か月前)の悔しさが脳裏をよぎった。「去年はここで負けた。今年は必ず勝つ」と言い聞かせて試合がスタート。勝った瞬間は「頭の中が真っ白になった」という。

 「表彰台でうれし涙を流したのは、初めてのことです」とのこと。そしてまた、姉妹で同時に優勝したのも大会史上初。これは知らなかったそうだが、「2人で世界一になろう」と誓った夢がかない、また泣いたという。

 来年へ向けては、五輪実施種目の48kg級へ落とすことを決めている。まず減量との闘いがあり、坂本真喜子や山本美憂のいる激戦区での闘いが待っている。そこで勝っても、世界で今回優勝したイリナ・メルニク(ウクライナ)といった強豪がそろっており、五輪チャンピオンになるにはとてつもない難関が続く。

 しかし「そこに挑戦できるのはうれしい」と言う。悲願の世界一になったことで、気持ちが高まっているからこその言葉だろう。姉妹そろってのオリンピック出場を目指し、自らの、そして姉妹の再挑戦が始まる。



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