【特集】「プレッシャーはない。勝つためにここに来た」…永田克彦




 2人のオリンピック代表選手が白星スタート−。世界グレコローマン選手権は第1日で日本4選手が全滅したものの、第2日は2人の五輪代表選手、74kg級の永田克彦(新日本プロレス職)と60kg級の笹本睦(綜合警備保障)がそろって初戦白星。アテネ五輪の出場資格獲得へ向けて期待が出てきた。

 シドニー五輪69kg級で銀メダルを獲得した永田は、昨年世界6位のミカル・ヤウォルスキ(ポーランド)に対して、押し合いに負けず、第1ピリオドの終盤に前崩しで先制の1点を獲得。第2ピリオドに入ってパッシブを取られ、リフトで同点とされあものの、たもう一度試みた時、うまくステップ・オーバして上になり、相手を仰向けに押さえて3−1。そのまま試合終了となり、3−1で勝った。

 永田は「去年のハンガリーグランプリで負けている相手だったが、そのおかげで手の内は分かっていた。失敗や負けを怖がったりしないように気を付けて、結構落ちついて試合には臨めました。プレッシャーはありません。 勝つためにここに来たのですから」と話した。

 シドニー五輪8位入賞の笹本睦(綜合警備保障)は、アロイス・ファスラー(スイス)足手に第1ピリオドはちょっと慎重なファイト。それでもローリング2回で4−0とリード。
第2ピリオドはもっと積極的に攻撃し、パーテールポジションのチャンスに俵返しなどを決め、5分8秒でテクニカルフォール勝ち。

 笹本は「1試合目から体が動くのかな、と思いながらやっていました。 テクニカルフォールですけど、相手も弱いので」と、まだ手探りの状態を強調した。

 96kg級では加藤賢三(自衛隊)が昨年世界3位のアリ・モロフ(ブルガリア)にローリング2度を許し、0−3で黒星スタート。前半のみならず後半に入っても攻めが足りず、パッシブをひとつも取れなかった。世界2位のカラム・ガバー(エジプト)とも同じブロックで、初出場の加藤には、ちょっと荷が重い組み合わせとなったが、「力は及ばなくても、挑戦するつもりで試合に挑みました。(1回戦は)テクニカルフォールかフォールで負かさせるかと思ったけど、グラウンドで返された失点だけだったので想像していたより戦えたと思います。明日全力で頑張ります」と気合を入れた。




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