笹本睦が優勝…ハンガリー・グランプリ



 欧州遠征中の全日本グレコローマン・チームは3月2〜3日、ハンガリー・ニレイジュハーザで「ハンガリーグランプリ」(22ヶ国148選手)に出場し、60kg級の笹本睦(綜合警備保障)が東アジア大会優勝の選手などを破って優勝した。笹本は前週のイタリアでの大会に続いて2大会連続優勝。

 66kg級の飯室雅規(自衛隊)が6位、74kg級の菅太一(日大)が7位に入った。嘉戸洋コーチと笹本睦選手の話、および各選手の成績は下記の通り。

 
嘉戸洋コーチの話 22か国148選手が出場したこの大会は、世界トップクラスのロシア、トルコ、韓国、ポーランド、ハンガリーなどの参加でレベルもかなり高いものとなった。その中で60kg級に出場した笹本選手が、準決勝で昨年の東アジア大会優勝の韓国選手を、決勝では昨年のヨーロッパ選手権優勝のチェコ選手を破っての価値ある勝利を収めた。

 準決勝の韓国戦は、1ピリオドにローリングで2ポイントを先制、その後両者得点がないまま延長戦に突入したが、延長開始のクリンチ(四つ組み)から韓国選手が頭をつけ、胸を離すという反則で笹本選手に1ポイントが与えられ、ノルマの3ポイント目を上げての勝利。この試合では、2度のグラウンド防御を強いられたが、1ポイントも許さなかった防御の強さが勝利につながったといえる。

 決勝のチェコ戦では、1ピリオドにローリングや足を使った防御による反則等で6ポイントを失う不利な展開であったが、2ピリオドに入ると両差しから相手の反則を誘い1ポイント、続くグラウンドでがぶり返しを決めて2ポイント、最後は豪快な5ポイント+1ポイントとなる俵返しで一気に9−6と逆転し勝利を収めた。残り時間はわずか30秒。何といってっもワンチャンスにおける爆発的な攻撃力の高さにあったといえる。

 笹本選手は全試合を通じて、攻撃、防御ともに日ごろの成果が十分に発揮できていた。笹本選手はギリシャの大会に続いて、2大会連続の優勝となった。

 その他の日本選手では、66kg級の飯室選手が6位に、74kg級の菅選手が7位にそれぞれ入賞した。ギリシャ大会で優勝した55kg級の村田選手、84kg級の松本選手はともに決勝トーナメントに進むことができなかった。また74kg級の永田選手は勝利することはできなかったが、試合内容は良いので最後のイタリア大会での奮起に期待したい。

 日本チームは、3月6日までブダペスト(ハンガリーの首都)でハンガリーチームおよびノルウェーチームと合同練習を行い、その後遠征最後の大会が行われるイタリア・ファエンツァに移動し、『ミラノトロフィー“オリンドゲッリーニ”記念大会』に臨む。

 
笹本選手の話 優勝よりも韓国選手に勝ててよかった。この調子でアジア大会も優勝しちゃいます。(^_^)v」


 ※表形式の試合結果は → ここをクリック


 【55kg級】村田知也(滋賀・日野ク)  12位=13選手出場

予選1回戦 ●[0-3=6:08] Igor Kurylo(ウクライナ)
予選2回戦  BYE
予選3回戦 ●[0−6] Ozdemir Bayram(トルコ)


 【60kg級】笹本睦(綜合警備保障)  優勝=15選手出場

予選1回戦 ○[5−0] Henadzi Besarabi(ベラルシア)
予選2回戦 ○[5−1] Aleksei Ogorodnikov(ロシア)
予選3回戦  BYE
準 決 勝 ○[3−0] Kang Kyung-Il(韓国)
決    勝 ○[9−6] Peter Svehla(チェコ)


 【66kg級】飯室雅規(自衛隊)  6位=27選手出場

予選1回戦  BYE
予選2回戦 ○[3−2] James Shillow(米国)
予選3回戦 ○[3−1] Andris Jaros(チェコ)
予選T1回戦 ●[Tフォール、2:40=0-11] Sergei Kolitarev(ロシア)


 【74kg級】永田克彦(新日本プロレス職)  23位=27選手出場

予選1回戦  BYE
予選2回戦 ●[0-2=9:00] Michal Jaworski(ポーランド)
予選3回戦 ●[2−5] Danil Khalilov(ロシア)


 【74kg級】菅太一(日大)  7位=27選手出場

予選1回戦  BYE
予選2回戦 ○[フォール、2:30] Altay Mahmut(トルコ)
予選3回戦 ○[3−2] Christian Eyer(フランス)
決勝T1回戦 ●[0−7] Sergy Krapyvkin(ウクライナ)


 【84kg級】松本慎吾(一宮運輸)  17位=32選手出場

予選1回戦 ○[3−1] Bojan Mijatov(ユーゴ)
予選2回戦  BYE
予選3回戦 ●[3−8] Marcin Letki (ポーランド)


 【国別対抗得点】
[1]ハンガリー、[2]韓国、[3]ベラルシア



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