五輪グレコローマン存続のピンチ!




 国際オリンピック委員会(IOC)のプログラム委員会が、夏季五輪の肥大化抑止策として、2008年北京五輪から野球、ソフトボール、近代五種の3競技を実施競技からはずすことが好ましいとの提案をIOC理事会に提出していたことが、8月28日までに明らかになったが、このほか、除外対象「種目」として、総合馬術(馬術)、競歩(陸上)、グレコローマン(レスリング)が挙がっていることが分かった。

 10年ほど前、IOCの理事の1人が公の場で“五輪からの削除候補競技・種目”としてグレコローマンを挙げたため、グレコローマンの五輪種目からの削除がかなり深刻に伝達。国際レスリング連盟(FILA)も見せるための努力が欠けていたとし、1991年の世界選手権では大会中にもかかわらずルールを変え、よりアクティブなスポーツにするための努力をした。

 しかしFILAのエルセガン会長によると、IOCとして検討されたことは1度もなかったという。今回はIOCのプログラム委員会としての提案・勧告であり、レスリング界はグレコローマンを守るために前回以上に必死に取り組まねばならなくなった。

 競技・種目の削除について、29日のIOC理事会では結論が出ず、11月に予定されている理事会での継続審議となった。競技については、ここで削除案が可決されれば、直後に行われるIOC総会にはかられる(委員の過半数の賛成で可決)。種目についてはIOC理事会の権限となり、IOC総会の決議を得なくとも決定される。

 IOCのロゲ会長は理事会後、「委員会の案はあくまでも技術的な観点にたってのもの。理事会は、五輪から除外された競技の将来を配慮し、政治的な側面も考慮する」と述べ、各競技の国際連盟とも話し合う意向を示した。

 【注】「レスリング」が競技であり、「男子フリースタイル」「男子グレコローマン」「女子」が種目です。



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