【特集】「勝って終わる銅メダルの方がよかった」…フリー55kg級・田南部力


 過去3戦全敗で東アジア大会優勝のマウレン・マミロフ(カザフスタン)に勝って決勝進出を果たしたフリースタイル55kg級の田南部力(警視庁)は、ディルショト・マンスロフ(ウズベキスタン)のグラウンド攻撃で3点を先制され、取り返せないまま1−3で無念の黒星。「大会に入って少しずつ理想に近いレスリングができるようになっていったのに、素人みたいな試合をしてしまった」と悔やんだ。

 3点を取られて焦ったのか、攻撃がすべて中途半端だったという。自らの必殺パターンのタックルからアンクルホールドへの連係もうまくできず、「焦ったのが原因。いきなり3点も取られたことはなかったですから…」と振り返った。

 相手は18歳。「これから何度もやる相手でしょうから、ビデオを見てじっくり研究します。戦法を変えないと勝てないでしょう。頭の中を整理して次に生かしたい」と、この黒星をエネルギーに変えようとする気持ちはあるものの、最後の試合を負けて終わるのは悔いが残る。「銀メダルだったら、勝って終わる銅メダルの方がよかった」と、最後まで銀メダル獲得の喜びはなかった。



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